2016年の小学校高学年向けの読書感想文の課題図書に『ワンダー』という本が選ばれました。そして、今年、映画になり、先日見てきました。とてもすばらしい映画でした。ぜひ多くの人に、子どもたちに見てほしいと思いました。
『ワンダー』の本を読んだときも、とてもすばらしい本だと思いました。しかし、NEWSのおすすめ課題図書とはしませんでした。その経緯に関しましては、以前の先生のコラム(2016年読書感想文NEWSおすすめ課題図書②)に書きましたが、おすすめ課題図書とする代わりに、特別授業を行うことにしました。もっとじっくりこの本と関わってほしいと思ったからです。そして、参加してくれた子、本を読んでくれた子たちは、しっかりと本の内容を受け止めてくれました。
この『ワンダー』という本は、全世界で300万部の大ベストセラーになったと当時宣伝でいわれていましたが、今回映画のチラシを見てみますと、全世界で800万部突破となっていました。ずっと読まれ続けたようです。続編や、絵本なども出ています。
物語は、ある新学期、顔に重い障害をもつ10歳の男の子がはじめて学校へ行くところから始まります。そこで、その男の子に起こる様々なできごとを、男の子の視点だけではなく、クラスメートたち、男の子の姉、その姉の友人など、多様な視点で語っていきます。人間の(ぼくも含めすべての人にあるだろう)嫌な部分もこの本は隠しません。映画でも、容赦なく描かれています。
映画を見る前に本を読んでいてよかったとは思いますが、読んでいなくても、映画の『ワンダー』はとてもすばらしい作品であることはまちがいありません。映画でだけ描かれているエピソードもあり、それも、原作を尊重した上で追加されていることが感じられ、とてもよい場面だと思いました。昔の映画『スタンド・バイ・ミー』を思わせるような美しいシーンもありました。映画ならではの効果かと思います。主人公の姉にも映画では大きく力点が置かれていて、映画ならではのおもしろさが感じられました。
どちらが先でもよいと思います。映画を見てから本を読んでも、本を読んでから映画を見ても。どちらにしても、『ワンダー』に出会ってほしいです。映画は2時間ずっとぐずぐず泣きっぱなしで見ていましたが(残念ながらまわりにだれも人がいないがらすきの状態だったので思い切り泣くことができました)、ユーモラスな場面も多く、ラストの感動は最高です。本と映画で両方味わってほしいです。なんだか勇気がもらえるような作品だと思います。ぜひどうぞ!