新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、毎年新年1回目の先生のコラムは干支にちなんだ絵本、物語をご紹介しております。辰年の今年は、竜、ドラゴンなど、いくつか考えたのですが、今江祥智作『竜』をご紹介したいと思います。
竜の子三太郎は、ものすごく大きな竜です。しかし、臆病者で、人間も怖くて、沼の底でいつもじっとしています。しかし、ずっと沼の底にいますと、気持ちがふさいできます。それで水面からうっかり顔を見せたところ、人間に見つかってしまい…。
教科書にも載っていますので、ご存知の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。三太郎は、このあと、日照りつづきの村に雨を降らせて、村人たちに『竜神様』と呼ばれるようになるのでした。よかったよかった。
はじめは人に見つからないように「気の弱い微笑」を浮かべていた三太郎が、さいごは、頬を赤らめ、うれしそうに「気の弱そうな苦笑い」を浮かべて、きれいな緑色のあぶくをはいて終わります。ほんのちょっとしたことで、自分の世界が大きく変わっていくことを、三太郎は経験したのでした。いつか、もっと立派な竜神様になることでしょう。そして、このお話を教科書で読んだ子どもたちにも、なにか勇気を与えてくれたらいいなと思います。
2024年はお正月からたいへんなことが起こってしまいました。まだまだ多くの方々がご苦労されていらっしゃいます。ぼくらのできることは小さいかもしれませんが、なにかしらできればと思います。たとえば、授業のときに、地震や津波のことを話して、みんなに考えてもらったりしています。
先日のNEWS板橋校でおこなったSDGsのイベントのときも、少しみんなと話し合ったりしました。こういったことでも、ほんの少しでも当事者のみなさまの勇気につながることを願います。