4年ごとの国際学習到達度調査(PISA)の結果が発表されました。日本は前回より大きく順位を上げたとのことです。
コロナの自粛期間の長短、パソコンの熟練度など、必ずしも学習面だけとは限らないことも加味された結果のようですが、ひとまずよい結果だったといえるのではないかと思います。問題の詳細は文部科学省のページなどで見られます。
その中でひとつ気になる問題がありました。
・あるバスケットボールのチームが全試合勝利で優勝しました。
・そのチームの全試合での得点差の平均は19点でした。
ここで問題です。
『このチームの得点差の平均を踏まえると、このチームが実際にはどの試合でも19点差で勝ったことがないということはありえますか。』
はい、いいえ、で答える問題です。数学の問題として出題されていますが、平均の知識というよりも読解力のほうが必要かもしれません。
正解は、もちろん、はい、です。19点ぴったりにならなくても、22点差で勝った試合と16点差で勝った試合があれば平均で19点差になります。この問題の日本の中学生の正答率が、なんと26.6%だったのです。えー! 低い!
それほどむずかしい問題とは思えないのですが、文章、質問の意味をうまくとらえられていないのかな、と思いました。計算はできても、数学の文章題が苦手な子は多いですが、そういう子はまちがえたのかな、と思います。あと、全試合で勝利という情報を見過ごして、むずかしく考えすぎてしまった子もいるかもしれません。しかし、ほとんど4人のうち3人まちがえているわけですから、なにかしら問題点があるようにも思います。
実際にはこういう問題文の問題を解くという作業が必要なのだと思います。問題を出す側に工夫が必要ですね。テキストのわかりやすい問題だけではなく、迷うような、ただし、正解は一つしかない問題を作って出すようにしないとな、と思いました。