いきなり自分の話で恐縮ですが、ぼくは古い時代劇のファンなのです。大河ドラマのような歴史を扱ったものよりも、いわゆるチャンバラの時代劇、正義の味方が悪い奴をバッタバッタと切りまくる(ただしみね打ち。ポケモン用語ではありません!)古い時代のものが好きなのです。いまはもう再放送でしか見ることができませんが、いろいろなチャンネルで、いまでもよく放送されているので、あちらこちら見て楽しんでおります。『遠山の金さん』とか…。
さて、そんな時代劇ファンのぼくにうれしいニュースを見つけました。古い時代劇の字幕放送を作る際に、時代劇に出ていたベテラン俳優のみなさんが参加されているのだそうです。
字幕放送は、目の不自由な方や、高齢の方が楽しめるように制作されているのですが、昔の作品は台本などが残ってなく、また時代劇ならではの言い回しも多く、とても困っていたそうです。しかし、自ら参加していた俳優さんたちが製作チームに加わり、その場で、これは○○だよとアドバイスしてくれることによって、たいへん助かっているとのことでした。ぼくも時代劇ファンとはいえ、『同心』と『捕り方』のちがいなどぜんぜんわからないですからね。刀を持っている奉行所の役人が『同心』で、持っていないのが『捕り方』なのだそうです。すごい! わかりやすいですね。
この時代劇の字幕放送を制作するためにテレビ局は、過去に時代劇に出演した俳優さんたちに希望を募って加わってもらい、きちんとお仕事として、お給料も支払っているそうです。時代劇の製作が減ってしまったため、そういう知識や技術などがどんどん失われ、俳優さんたちの仕事も減っているという現実がある中で、このように時代劇に携わる人たちが、ウインウインの関係として、また新しいチームを組むというお話に、ファンの一人としてぼくもうれしくなりました。
よく中学生や高校生の子どもたちと、将来AIの発達でなくなる仕事は何か、などと話したりします。やっぱり、みんなちょっと心配なようです。ですが、たとえどれだけAIが発達しても決してなくならない仕事もあるのだと思いました。自分の仕事に誠実に、誇りをもってつづけたことは、いつまでも残るのです。時代劇もやっぱりいい作品はいま見てもおもしろいのですから。ぼくも自分の仕事についてあらためて考えてみようと思いました。