- 敬語の基本的な考え方や具体的な使い方を示す「敬語の指針」というものが新聞に出ていました。昨年から何度か記事が出ていましたが、一般に3種類に分類されていた敬語を、5分類に増やそうというもののようです。尊敬語、謙譲語(Ⅰ)、丁寧語の3種類から、美化語、丁重語(謙譲語Ⅱ)が増えて5種類になるそうです。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
- まだ正式に決まったわけではなく、何学年から教えることになるかもわかりませんが、普段、作文倶楽部や、個別指導教室で国語を担当しているものとしては、なかなか気になるニュースです。例として新しい分類の5種類の敬語が載っていましたが、かなり難しそうでした。特に、謙譲語を二つにわけた分類は、もし指導することになれば、こちらの方もしっかり勉強しておかなければなりません。
- もともと敬語の勉強は苦手な子がとても多いです。中学受験の文法でも出題頻度が高いものの一つですが、尊敬語、謙譲語の判断でつまずく子が多いです。一番かんたんな見分け方として、ぼくはいつも動作の対象を考えさせます。その敬語の部分を行っているのはだれか、ということです。
- 『先生が食事を召し上がる』で、食事をしているのは先生、つまり『相手』です。『相手』が行っていることは『尊敬語』を使います。
- 『先生の書を拝見する』であれば、見ているのはだれですか、と聞きます。この場合は、書いていませんが語り手、つまり『わたし』ですね。『わたし』か『わたしの家族』が行っている行為は謙譲語になります。
- これらは初歩中の初歩の段階ですが、謙譲語が二つに分かれると、これだけでは足りなくなってしまいそうです。中学受験への影響は? いろいろと考えてしまいます。まだまだこのニュースからは目が離せません。もちろん、敬語の分類にばかり目を奪われて、敬語本来の目的を忘れてはいけませんが……。結局は相手のことを思う気持ちなのだと思います。そのような指導をしていきたいと思います。
NEWS青葉台校室長
三木 裕