- 作文倶楽部やメインコース、また国語の授業などでもそうなのですが、わからないときに、なにも書かないでやめてしまうという子がいます。まるっきりわからないから、自信がないから、どちらにしようか迷っている、などなど、それぞれ理由は違うのですが、なにも書かないというところは同じです。ある教育研究誌の調査で高学年ほど無回答の率が高いと書かれているのを見たことがありますが、どうでしょうか。学年に関わらず、増えてきているのでは、という気もします。例えば、次の三つの言葉をよくいう子がいます。
「わからない」「できない」「むり」
ぼくは、そんな子ども達に、この三つの言葉を言わないように話し、そのかわり、できなくていい、満点で無くていい、たくさんまちがってほしいと話します。先生なのに、「もっとまちがえていいよ」とか「たくさんまちがえた人が勝ち!」などと言うのは、おかしいかもしれませんが、ぼくは本気です。無回答の子は『まちがい力』が足りないから書けないのだと思うからです。
作文の授業で一行も書けずにかたまってしまう子がいます。何を書いたらいいのかわからない、という様子です。ぼくはとにかくいろいろ話しかけます。その中に、必ず、絶対に、その子にしかない『言葉』が見つかります。それを見つけるまで、少しでもいい、おかしくてもいいので、ちょっとずつ、ちょっとずつ書いていきます。たくさん、まちがえればまちがえるほど、その子の作文に近づいて行きます。国語の授業も同じです。まず、思い切ってまちがえてみること、その勇気をもってほしいです。どこがまちがっているのか、どうしてまちがっているのか、それらのまちがいを見直す勇気こそ、正解への道なのです。
もしも、『まちがい力』に自信のないお子様は、ぜひともメインコースの授業にご参加いただければと思います。先週のメインコースでは節分にちなんで、こんなショートエクササイズを出してみました。
『あなたの頭に鬼のような角が生えてきました。では、頭に角が生えて「よかった」と思うことを5こ書いてみましょう』
メインコースでは知識や論理性だけではなく、このようなユーモラスな問題もなるべく毎回入れるようにしています。「強そうに見える」「劇ですぐに鬼の役ができる」「穴を掘るのに楽」などなど、いろいろ出てきました。このような問題は、まさに『まちがい力』をつけるためにはうってつけの問題です。どんなことを書いても、めちゃくちゃに見えてもだいじょうぶ。おおいにまちがえてください。悩んで悩んで、みんなで楽しく『まちがい力』を付けていきましょう。今週はどんな答えに出会えるでしょうか。とても楽しみです。
NEWS青葉台校室長
三木 裕