- いまいろいろと話題の宮崎県のある町で行われたというこんなニュースを見つけました。
- 宮崎県清武町は町出身の江戸末期の儒学者、安井息軒(そっけん)(1799~1876)の生涯を描いた小中学生向け教材の漫画本を作製した。町は郷土の偉人と歴史を知ってもらおうと、文字主体の息軒の伝記を授業で使っていたが、今春から漫画に切り替えた。教師からも「子供が興味を持つきっかけになる」と好評だ。息軒の足跡が96ページにわたって、平易な言葉を使ってまとめられており、巻末には息軒が生きた時代の年表も付いている。今春、約5000部を作製。町内5小中学校などに配布した。
- 6年生の総合学習の時間にすでに使用した学校もあるそうで、この漫画本をきっかけに郷土のゆかりのものに目を向けてほしいという校長先生のお話も載っておりました。
- 町にゆかりの人を知るというのは、とてもよいことだと思います。ぼくも高校生のときでしたが、文化祭の発表で、地元に関係の深い高島秋帆という人物のビデオを作りそれをきっかけにいろいろ知ることができました。その後も、たとえば当時読んだ司馬遼太郎の「竜馬がゆく」にちょっとだけ高島秋帆が出ていて喜んだり、最近も井伏鱒二の小説に高島秋帆のことが取り上げられているのを知って、懐かしく思ったりしました。清武町の子ども達も、幕末の人物、出来事が少し身近になるのではないかと思います。
- それと、伝記ではあまり関心を持たれなかったので、漫画本にしたということですが……。そういえば、伝記のシリーズというのが、以前に比べてあまり読まれなくなったような気がします。伝記に取り上げられる人物がかなり細分化され、また新しい現代の人物も多く伝記になっているという傾向もあるようですが、全体的には、あまり人気がないような感じです。ならば漫画でも……ということでしょうか。それで歴史に興味をもつということであれば、大いに結構だと思います。歴史漫画から歴史に興味をもったという子はたくさんいますので。そして、その興味が、伝記本や、歴史小説にまでいってくれるといいなとも思います。漫画に負けないくらいおもしろい本もたくさんありますし、歴史そのものが本当はとてもおもしろいものなのですから。そんなことを思いました。
NEWS青葉台校室長
三木 裕