- おもしろ作文倶楽部では毎年、サマースクールで「読書感想文」を行います。60分の授業が6日間もありますので、ずいぶん長いと思われるかもしれません。ところが、実際に授業を行いますと、いつでも時間ぎりぎりになってしまいます。それは、書く前にまず「読む」ということに時間をかけるからなのです。
- 読書感想文を申し込んでいただきますと、事前におうちで本を読んできてもらうようにお願いします。その本は、特別の指定がないかぎり、こちらでご用意しました『青少年全国読書感想文コンクール』の課題図書を読んでいただきたく思います。7月ころになりますと本屋さんの一角でたくさん積まれて売っている、表紙にメダルのついた本といえば、思い出される方も多いと思います。
- なぜ課題図書を使用するのかと思われるかもしれません。もっとおもしろい本はたくさんあるし、自分で選んだ本のほうが書きやすいし、自由に書かせるほうがいいのでは……。
- たしかに、ぼくも子供の頃、読書感想文の課題図書というのは、あまりいい印象がありませんでした。自分で書きたい本だったら、たくさん書けるのにとも思っていました。なのに、なぜ、あえて課題図書で感想文を書いてもらいたいのかといいますと、まずはこれは保護者の方からのご要望でもあるのですが、宿題として提出できるという利点があります。せっかく書いて、しかも、とてもよくできたのに宿題として受け取ってもらえないというのでは、がっかりです。課題図書であれば、その心配はありません。
- そして、もう1つ大きな理由として、読む勉強をぜひともしてもらいたいと思うのです。課題図書の作品には、必ずなにかしらのメッセージがこめられています。そのメッセージをまずは見つけられるかどうか、ここを見たいと思います。メッセージが見つけられていないのならば、なぜ見つけられなかったのかを考えなければいけません。読み飛ばしてしまったのか、勘違いしてしまったのか、他のところに注意が向いていたのか……、たくさん理由が考えられます。その理由をきちんと調べ、適切な指導をするため、NEWSの読書感想文コースでは、授業の最初の何時間かは、本についての質問をたくさん行います。ちゃんと読めているかを確認してから、書いてもらうのです。そのためには、比較的メッセージがわかりやすく出ている課題図書を使いたいのです。
- 現在、今年の課題図書を選考中です。ほぼ一通り読み終わりましたが、今年の課題図書はここ数年の中で一番むずかしいという印象を受けました。書くのにとても苦労するかもしれません。これから、その中で、一番よいと思われる本を選びます。読んでくれたみんながしっかりと考え、そして、なにかを受け取ってもらえるような本を選びたいと思います。
もちろん、課題図書以外の本を学校から指定されてしまった場合などは、そちらの本でも授業をしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
楽しい6日間にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
NEWSおもしろ作文倶楽部コース責任者
三木 裕