- 先日の7月最初の日曜日に行われました小学6年生の首都圏模試の問題を見ました。国語の長文問題を見て驚きました。あさのあつこさんの『ラストイニング』という作品が使われていたのです。これは、あさのあつこさんの傑作『バッテリー』という物語の続編です。
- 『バッテリー』という作品をご存知でしょうか? 最近、映画にもなりましたので、そちらをご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。もともとは児童書として発売された本です。ぼくもそのときに読みました。その後、じわじわと人気が広がり、とうとう大人も読めるようにということでしょうか、角川文庫でも発売され、一気に人気が出てベストセラーとなりました。全6巻で完結しています。
- この物語はすばらしい野球の才能を持った少年が主人公です。その才能ゆえに、まわりの人たち(大人も子どもも)は、時に反発したり、傷ついたりします。もちろん、主人公の男の子も、同じように反発し、傷ついていきます。
- ぼくは、小学校高学年くらいから中学生くらいの子に、「なにかおもしろい本ない?」と聞かれるたびに、よくこのシリーズを薦めていました。物語は決して安易な結末へは向かいません。悩みも、反発も、怒りも、あらゆる感情を抱えたまま、それでも、主人公は自分を信じて投げ続けていくのです。読んでいて非常にこちらの胸も熱くなる本でした。
- 『ラストイニング』はその『バッテリー』の続編なのですが、今年の2月くらいに出た本です。『バッテリー』シリーズの名脇役が主人公になっている本です。あさのあつこさんは『バッテリー』人気の影響か、中学入試の問題にもここ数年よく出るようになりましたが、半年もたたずに、7月の模試にまで使われるとは思いませんでした。中学受験をする子は、とりあえず『バッテリー』くらいは目を通しておこう……、という考えもちらりと頭に浮かびましたが、まずは、とにかくおもしろい本! ということでこのシリーズを読んでほしいと思います。本当におすすめです。
NEWS青葉台校室長
三木 裕