- 先日、たまたま、ベトナムの児童書を読みました。『カエルとおてんとうさま』という本です。ユーモラスな絵にひかれて手に取ったのですが、内容もおもしろかったです。
- 『カエルが鳴くとなぜ雨が降るのでしょうか?』
- それは、ある雨日照りのとき、このままではみんな死んでしまうと思った勇気のあるカエルがおてんとうさまに、直談判に行きます。途中、カエルの勇気に胸をうたれたニワトリやハチや、牛に虎までが仲間に加わっていき、最後はおてんとうさまに雨をふらせる約束をさせます。
「これからも、ぼくが鳴いたら雨をふらせてください」
そして、それ以来、カエルが鳴くと、おてんとうさまは雨を降らせることにしたのだそうです。 - ここでおもしろいと思ったのは、『雨が降りそうなのでカエルが鳴く』のではなく、『カエルが鳴くので雨が降る』というように発想を逆転しているところです。それが物語つくりの妙ともいえるのですが、大いにいろいろな場面で活用したいところです。メインコースの問題でも出してみましょうか?
- 『カエルが鳴くとなぜ雨が降るのでしょう?』
- みんなはなんと答えるでしょうか?
- ちなみにこの本が日本で出版されたのは1971年のことです。訳者のあとがきにも書かれていましたが、ベトナム戦争が激しくなっていったころのことです。このような楽しい子どもたちのための本と、その時代とのギャップに、しばし心静かになりました。
NEWS Step Up メインコース コース責任者
三木 裕