テレビで深夜ワインの世界最優秀ソムリエを決めるコンクールの番組をやっていました。過去の大会のようでした。かなり権威のあるもののようです。
そういうコンクールがあるというのは聞いたことがありますが、くわしいことはまるで知りませんでした。三年に一度いろいろな場所で開かれるようで、ぼくが見たものはチリでおこなわれていました。途中から見たのですが、準決勝に残れるのが12人、決勝に残れるのが3人、最後にひとりが選ばれます。世界中から腕自慢(鼻? 舌?)が集まってきています。日本人の参加者もいい成績をこれまで収めているみたいです。
ただワインだけを飲んで、どこの国のものか、どの銘柄か、いつの年なのか、それを当てるものです。そんなのなんでわかるの? という感じでしたが、ちゃんとわかる人はわかるのですね。すごいです。
しかし、コンクールの審査はそれだけではないのでした。ワインをお客様に上手に、時間内にふるまうというものがあります。優雅に、うつくしく、という基準ももちろんありますし、さらに、サプライズ! までついているのです。今回のコンクールでは、渡されたワインのコルクの留め具が通常のものではないものに付けかえられていました。とうぜん、とまどいます。開けられない人もいましたし、開けられても時間が足りなくなり全員に注げない人もいました。しかし、優勝候補のソムリエはさすがでした。少しはおどろいたのかもしれませんが、まったくそんな様子は見せず、さらっと開けてしまいました。すごい!
決勝戦はさらに見ごたえがありました。ひとりの敗者は、ぜったいにふだんはしないだろうというミスを最初にしてしまいました。もうひとりは、正解に達していたようでしたが、ほんの数秒の時間切れで敗者になってしまいました。考えられないくらいの緊張なのでしょうね。優勝したソムリエは、これまで三回2位になっていましたが、今回を最後にすると決めていました。決勝戦の最後のワインで、はじめはちがう銘柄をいおうとしていましたが、さらに味わううちに、最後の瞬間にちがう銘柄をいい、見事に優勝したのでした。
勝者にドラマあり、敗者にドラマあり、最後まで見入ってしまいました。ワインのこととか、本当になにも知らないのですが、プロフェッショナル中のプロフェッショナルの戦いはすばらしかったです。さいごに敗者の人たちが、勝者を讃えているすがたもうつくしかったです。みんなワインに心から魅了されているのがわかります。参加者全員で、うれしそうに乾杯をしていました。
その道を極めることのむずかしさと、うつくしさを堪能いたしました。NEWSの子どもたちにはまだワインはちょっと早いですが(ははは。)、なにごとも自分の好きな道を究めてほしいな、と思いました。