- 最近発売された雑誌に「入試によく出る小説」という特集が掲載されていました。読んでみましたところ、なかなか興味深い内容になっていました。
- 中学受験でよく出た作家は重松清、あさのあつこ、森絵都、小川洋子……とつづくようです。特に一番の重松氏の本は、かなりの学校で出題されていました。もうここ何年かずうっと一位なのではないでしょうか。2番目のあさのあつこさんはやはり『バッテリー』シリーズで人気に火がつきましたね。このNEWSの『先生のコラム』欄でも取り上げたことがありますが、このシリーズはとてもおすすめです。いままでもずいぶんたくさんの方に紹介してきました。そして、3番目の森絵都さんですが、少々自慢話(?)をさせてください。もう一年以上も前になりますが、NEWS青葉台校で中学受験の説明会を行ったときに、ぼくは国語用の資料を作りました。その際に、来年の入試問題(2007年の2月のことです)で注目すべき作家として重松清氏などとともに、森絵都さんの名前を、ばっちりあげているのです。当時から本好きの子ども達に人気のあった作家さんですが、今年の入試問題で、これほどたくさん使われるとは思いませんでした。もちろん、来年も多数の学校の出題が予想されます。予想が当たるとやはりうれしいものですね。小川洋子さんはなんといっても『博士の愛した数式』です。ぼくも大好きな小説です(映画もよかったです)。ぜひ、本好きの小学生、中学生に読んでほしいと思います。
- 毎年多数使用される重松清氏は別格としても、あさのあつこさん、森絵都さん、小川洋子さんという、このところ急激に使用されるようになった作家さんにわりと早くから注目し、かつ、声高にその作品のよさをおすすめしていたものとしては、この雑誌のランキングは、まさにわが意を得たりというような思いがしました。さらにこの雑誌には、今度、2008年2月の入試問題として注目の作家の名前があげられています。大手塾や予備校の先生が8人ほど予想していましたが、その8人のうち、3人までがあげた作家に佐藤多佳子さんがいます。これもぼくが予想していた作家さんです。最近は大人向けの本を書かれていますが、デビューは児童文学の作品で、ぼくは、その頃の作品(「黄色い目の魚」など)からファンでした。……などと書くと、恐るべき慧眼の持ち主! というような感じですが、実は入試問題にもやはり出題の傾向があるのです。その流れを見ることだと思います。そして、佐藤多佳子さんの作品はおそらく出題されると思います。だから、読んだ方がいい、というわけではなく、とてもすてきな作品なので、ぜひ読んでほしいですね。このところ、寒くなってまいりました。今回あげた作家さんはみなおすすめの作家さんばかりでので、読書の秋にぜひとも1冊おとりいただきたいと思います。
NEWS 青葉台校教室長
三木 裕