スピードスケートの小平奈緒選手が引退されるそうです。2018年の平昌オリンピックで金メダルをとり、リンクで、ライバルの2位の選手と抱き合った姿を思い出します。
小平選手のインタビューを読みました。常になにかに挑戦しつづけた人生のようです。中学生のときにすでに全日本ジュニアという大会を制し、強豪の高校からたくさん誘いを受けました。しかし、進んだのはスケート部のない長野県の高校です。当時のコーチの指導を受けるためだったそうです。また、高校卒業後も、環境の整った実業団チームからの誘いを断り、信州大学へ進みます。信州大学の監督の指導を受けたかったためだそうです。その後、地元の相沢病院の院長の支援を受けたことは、ぼくもオリンピックで知りました。
メダルを取ることだけが目標だとしたら、もしかすると回り道をしているのかもしれません。実際、小平選手も、メダル獲得が目的とすり替わってしまって、スケートに真摯に向き合えていない時期があったと話しています。
小平選手はスケートの強国オランダに行きました。言葉を学び、技術を深めていきました。
「考えを言葉にするという空間をみんなで共有することで、言葉に深みが生まれ、思考も育まれました。」
「タイムだけを追うロボットのような生き方はしてきていない。限界に挑んだり、連勝がつづく重圧を闘ったりしたことで『表現者』として磨かれてきた。私自身からあふれるものを見て何かを感じてくれたら」
小平選手の言葉にはとても深いものが感じられます。すばらしいですね。感動しました。引退されるのはファンとしてはさみしいですが、きっと次のステージでもなにかに挑戦し、輝く姿を見せてくれるにちがいありません。とても楽しみです。