- 先日、うちの近くにある小さい集会所で行われた落語会に行ってまいりました。小さいといっても五十人近くいたのではないでしょうか。おすし屋さんのご主人が主催した会のようで、ちらし寿司つきのぜいたくな落語会でした。(なぜかご主人の披露する安来節もついていました……)
なぜ、突然落語会などに参加したかといいますと、日本の古典芸能への興味とか、語りとしての落語の芸を作文倶楽部の授業に取り入れようといったもっともらしい理由などでは全然無く、朝のNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」を見て、にわか落語ファンになったから、なのであります。「ちりとてちん」をご覧になっていらっしゃる方はよくご存知だと思いますが、落語家を目指すヒロインのまわりにいる落語家たちと、落語の話そのものが、ドラマの中でなんとも魅力的に描かれています。はじめは、そんなに真剣に見ていなかったのですが、すっかり、にわかファンになってしまいました。 - なので、いままでだったら全然気にもとめていなかっただろうと思われる、落語会のチラシをふと見つけたとたん、申し込んでしまったというわけなのです。もうすぐ真打昇進という若手の落語家さんが一時間ほどで、二つの話を演じてくれました。やっぱりおもしろかったです。落語家さんの声というのは、聞きやすく、またよく通りますね。あっというまに終わってしまいました。
- また、落語のお話というのは、おもしろいのはもちろんですが、やはり、非常によく練られているのだなあ、ということにも感心しました。なにせ、にわかファンなもので、なんというお話なのかはわからないのですが、代々語り継がれてきたものの洗練と、作者の腕前、構成のすばらしさなど、初めから終わりまでなんのゆるみもなく完結していく芸というものを味わうことができました。やはり、時を越えて残るものには理由があるのですね。毎週毎週NEWSでも授業を行っておりますが、その1回1回が、未来へと繋がっているわけです。日々磨いていかなければと落語会の帰りに思いました。
NEWS青葉台校室長
三木 裕