- 「キャリー」「シャイニング」「ミザリー」「グリーン・マイル」などなど、次から次へとベストセラーを出し続けている作家スティーブン・キングの小説に関するエッセイを読んでいます。ほとんどの作品が映画化されているのではないでしょうか。ホラー作家として特に有名ですが、「スタンド・バイ・ミー」や「ショーシャンクの空に」という題で映画化された「刑務所の中のリタ・ヘイワース」など、その作品はホラーだけにとどまりません。
- そのエッセイの中に次のような文章を見つけました。
- 『ドアを閉じて書け。ドアを開けて書き直せ。すなわち、文章の出発点は自分だが、書かれた文章は人の目にさらされるということである。書くべきことをしっかり把握して正確に、そう、できる限り正確に表現するならば、完成した文章は、それを読み、また批評したいと思う人々すべてのものである。』
- これは、キングがまだ作家としてデビューする前、新聞の記事を書く仕事をするときに、先輩から受けた言葉だそうです。とても深いアドバイスだと思いました。
- 『ドアを閉じて』書くことの難しさは、子ども達にとっても、大人にとってもよくわかると思います。自分を見つめること、それを正確に伝えること、これこそが作文指導の第一歩です。そして、同じくらい難しいことが、また『ドアを開ける』ことです。客観的な視点を持つことにより、作文はぐんぐんよくなっていきます。見直しの重要性は、毎回の授業で必ず話しています。
- スティーブン・キングのこの本は、軽い語り口でユーモアあふれる楽しい読み物ですが、このような創作にかかわる部分や、時に自分のつらい体験(アルコールや薬におぼれたこともあったそうです)とそれを家族とともに乗り越えたエピソードなども含まれ、非常に読み応えのある本です。まだ全部は読み終わっていませんのが、あっというまに読み終わってしまいそうです。
NEWS青葉台校室長
三木 裕