- 昔、『詩とメルヘン』という雑誌があったのをご存知でしょうか。アンパンマンの作者でもあり、『手のひらを太陽に』などの童謡詩でも活躍されておられるやなせたかし先生が責任編集をされていた雑誌です。抒情詩を中心に投稿された詩を、美しいイラストで飾るなんとも贅沢な雑誌でした。その『詩とメルヘン』は三十年という長い間ずっとやなせ先生がお一人で編集長をされていましたが、何年か前に残念ながら幕を閉じました。抒情詩の時代ではないのだろうかと、さみしく思ったものです。
- けれども、昨年、また別の出版社からやなせ先生は新たに『詩とファンタジー』という名前で、詩の雑誌を始められたのです。7月19日に発売されたものが第4号となり、次号でようやく一年になろうというところです。『詩とファンタジー』はやはりとても美しい雑誌でした。
- 今年の2月、ぼくはやなせ先生の誕生日パーティーに参加いたしました。2月というのは、受験などもあり忙しく、もう何年も残念ながら欠席だったのですが、今年はひさしぶりに参加することができました。やなせ先生はもう89歳になられるということでしたが、電飾ピカピカの派手な服を着て、すばらしくかっこよかったです。自慢ののども披露され、あいかわらず大人気でした。
- その中で、やなせ先生は『詩とファンタジー』についてもお話されていました。「抒情の明かりを消さない」ということです。心でそう願う人はまだたくさんいると思いますが、そのために行動するところが、やなせ先生のすばらしさで、ありやさしさであるとぼくは思います。もうずいぶん長いこと詩は書いていなかったのですが(自信がなかったので)、ひさしぶりに書いてみようかな、と思いました。自分も少しでも行動する人間になりたいと思ったからです。今回の第4号にめでたく掲載されることになりました。本当にうれしいです。もし機会がありましたら、ぜひご覧になっていただきたいと思います。
- 作文や、国語の授業で、詩をよく取り上げます。表現の技法や鑑賞法など、授業として取り上げなければいけないことも多々ありますが、それだけではなく、ことばの美しさ、やさしさ、といったことも伝えていきたいと思っています。やなせ先生いつまでもお元気で、どうぞ『詩とファンタジー』を作り続けてください。そして、パーティーで、また元気な歌をお聞かせください! すっと楽しみにしております。
NEWS青葉台校室長
三木 裕