早いもので、今年も残すところあとわずかになりました。この季節に読んでほしい、ぼくの好きな詩を二つご紹介したいと思います。
十二月のうた
茨木のり子
熊はもう眠りました
栗鼠もうつらうつら
土も樹木も
大きな休息に入りました
ふっと
思い出したように
声のない 子守唄
それは粉雪 ぼたん雪
師も走る
などと言って
人間だけが息つくひまなく
動きまわり
忙しさとひきかえに
大切なものを
ぽとぽとと 落としてゆきます
クリスマスだから
阪田寛男
クリスマスだから
かんがえる
たくさんたくさん たくさん
かなしんでいる
ひとの こと
それから すこうし
かんがえる
どうしてどうして どうして
かなしい ことが
あるのかな
クリスマスだから
かんがえる
かなしんでいる
ひとの こと
NEWS青葉台校、センター北校室長
三木 裕