先場所で大関昇進を決めた御嶽海というおすもうさんがテレビで話していました。ぼくは、あまり、おすもうについてはくわしくないのですが、御嶽海関の話に、おお、と思いました。
御嶽海関は、優勝を三度もしている強い力士です。しかし、ライバルたちとの大関競争では、かなり遅れを取っていました。いいところまではいくのですが、ここいちばんに弱いというタイプのようで、ずっと大関昇進は見送られていたのです。
そこで、御嶽海は考えたそうです。自分の気の弱さは、たしかにマイナスだ、だが、それを克服するのはむずかしい。ならば、そのマイナスを、マイナスのまま利用できないだろうか、と。気の弱さから生まれる小心な部分、怖れを、慎重や、用心深さとしてプラスの要素とし、準備を徹底することや、細部までこだわり、こつこつとずっとつづけることを自分の長所として考えるようにしたのだそうです。なるほど、と思いました。
ちょうどそのテレビを見たあとで、似たような話をインターネットで見ました。話が苦手な美容師さんが、『カット+会話なし』というチケットをあえて売り出したところ、好評で、注文がたくさん来たのだそうです。美容師さんとの会話を楽しみに行く人も多いと思いますが、できれば気にせずに静かにすごしたいというお客さんも多かったようなのです。これなども、マイナスをマイナスのまま、強みにしたのかな、と思います。
マイナスな部分を克服することは、もちろん大事だと思いますが、それがだれにでもできることではない場合もあります。それならばいっそそのマイナスを、マイナスのままいいことにしてしまうという発想はとてもいいと思いました。
苦手なものがあったら、みんな、NEWSに来てください! そのままプラスにできる方法をいっしょに考えます!