ちょっとびっくりするような題で何事かと驚かれましたでしょうか。ミミズの洋服って、どんなものでしょう? 答えは、まど・みちおさんの詩の中にあります
ミミズ まど・みちお
シャツは ちきゅうです
ようふくは うちゅうです
どちらも
一まいきりですが
とても短い詩です。そして、ミミズという、あまり詩には使われない(?)のではないかと思われる小さい生き物をうたっています。けれども、そこに描かれている大きさと深さはまさに宇宙サイズです。まどさんの『百歳日記』という本をいま読んでおり、そこに載っていた詩でした。いまでも現役の101歳詩人まどさんの詩がぼくは大好きです。その本からもうひとつご紹介いたしましょう。ずっと読み続けていたくなるような、とてもすてきな詩です。
うたよ! まど・みちお
大むかしの 水に
しぜんに生き物たちが生まれでたように
生き物たちの いのちに
しぜんに ゆめが 生まれでて
ゆめには
しぜんに こえが 生まれでて
こえには
しぜんに ことばが 生まれでて
その うれしさの あまり
かなしさの あまり
とある日に ことばから
しぜんに うたが 生まれでたのか
思いださせてくれないか
だれも わすれた
その はじまりの日のことを…
うたよ!
サナギから 生まれでた
チョウチョウのように
まぶしい しぜんよ!
NEWS板橋校室長
三木 裕