今年もサマースクールの作文倶楽部で行う読書感想文コースで使用する予定のNEWSおすすめの課題図書を発表いたします!
小学校1、2年生向け
☆「がっこうかっぱのイケノオイ」 文=山本悦子 絵=市居みか 童心社
1年生さんには若干文章量が多いと思われるかもしれませんが、楽しい内容と絵で、しかも、読書感想文ぜひ書いてほしいポイントが一番たくさんありましたので、この本を選びました。自然環境問題に関してはもちろんですが、子どもたち一人ひとりの性格についてのさりげない描写があり、それについてもぜひ読み取ってほしいところです。表紙裏のカバーに書かれていますなぞなぞ『学校でいちばんよく聞こえる音、なあんだ?』、これがその本の一番の読みどころです! なんだと思いますか?
小学校3、4年生向け
☆「わたしのとくべつな場所」 文=パトリシア・マキサック 絵=ジェリー・ピンクニー 訳=藤原宏之 新日本出版社
こちらは絵本ですので、逆に3、4年生にしては、文章量が少なく、物足りなく思われるお子さんもいらっしゃるかもしれません。ただし、ここで描かれているのは、人種差別というとても大きな、大切なテーマです。その大きなテーマを、一人の少女の行動により、事実に即して描いていて、わかりやすく考えることができます。ぜひ事実としての重みを感じ、考えてほしい本です。今年の小学校3、4年生向けの本は力作が多く、特にホスピタルクラウン(病院でピエロの格好をして子どもたちを笑わせるボランティア)をテーマにしたノンフィクションの本と最後まで悩みましたが、この「わたしのとくべつな場所」の本の最後に描かれた希望をみんなにぜひ読んでもらいたいと思い、この本にしました。
小学校5、6年生向け
☆「天風の吹くとき」 福明子・作 小泉るみ子・絵 国土社
児童文学というのは、やはり読者に何かを伝えたいという作者の思いが感じられるものがよいのではないかとぼくは常日頃思っています。もちろんなにを伝えたいのかは作者によると思いますし、テーマなどではなくとにかくおもしろいお話を書いて本を読む楽しさを知ってもらいたいという考えも作者の思いといえるでしょう(ぼくが自分で書くときはこのようなことを意識します。)。この「天風の吹くとき」という本から、作者のどうしても伝えたい思いを強く感じました。ファンタジーの要素もありますが、全体的にはオーソドックスな作りで、その分、登場人物の子どもたちがまっすぐにこちらに語りかけてきます。友情や郷愁といった児童文学にふさわしいテーマと、さらに大きな命と生きる勇気を描いています。夏休みにじっくり読んで、考えてほしい本です。
NEWSサマースクールの読書感想文では、以上の青少年読書感想文コンクール課題図書の中から、おすすめ課題図書を1冊使用して、その本についてしっかり読み取っているかを聞くところから授業を始めます。全部で6日間の長いコースですが、その分じっくりと丁寧に書いてもらいます。完成まで仕上げますので宿題のお手伝いにもなりますが、それとともに本を読むことの意味もいっしょに学んでほしいと思います。ぜひご参加ください!
NEWS板橋校室長
三木 裕