先日、テレビでプロ野球阪神タイガースの矢野監督のドキュメンタリー番組をやっておりまして、ぼくは阪神ファンであり、また現役時代から矢野監督の大ファンでもありましたので、かなり気合を入れて見つづけました。
今年の阪神タイガースは、前半は快進撃でずっと一位だったのですが、だんだん主力選手のケガや不調が重なり、結果としては最後の最後に逆転されて二位で終わりました。取材は前半戦から行われておりましたが、どちらかというと、苦悩している後半戦部分のほうが主に描かれていました。
番組の中で何度も成長という言葉が出てきました。ただ勝つだけではなく、育てながら勝ちたい、ということのようです。今年の阪神は新人選手の活躍も多く、全体的に若返ったメンバーになりました。その中で、若手にポジションを奪われてしまう選手もいます。しかし、矢野監督はそういう選手が、その後どうしているかを見ています。ふてくされたりせずに必死で練習している選手にはまた機会を与えようとします。それで負けてしまうこともあるのですが……。やはり、育てるだけでもだめで、勝たなくてはいけないと矢野監督も話していて、だからこそ苦悩が増えていくわけです。ぜんぜん寝られなくなるのだとか。厳しい世界です。
選手から、監督だけれど、先生のような存在です、と矢野監督はいわれていました。失敗したあとどうするかを見たい、なんのために練習をするのか、全員で勝ちたい、そんな言葉の節々に、先生のような思いが感じられます。
細かいところですが、育てる、と、成長させたい、は少しちがうように思います。矢野監督は、選手が自分の力で大きくなってほしい、そのために力を貸したい、そんなふうに見えます。育てるだと、いろいろお世話を焼きつづける感じですが、成長には、それを待つ忍耐も必要で、矢野監督の指導にはそれを感じます。
阪神が矢野監督になって強くなっているのはまちがいないと思います。もちろん、矢野監督だけの力ではないのですが、矢野監督の指揮も大きかったと思います。たくさんの選手の成長を見てきました。ぼくもNEWS板橋校の室長としてとても刺激を受けた番組でした。これからの阪神タイガースの戦い方も見ていきたいと思います。