NEWS作文倶楽部の9月の課題で、みんなに物語を作ってもらいました。NEWSの各校舎から、ぞくぞくと傑作が完成しました! というお話を聞いております。例えば……、森の虫たちのびっくりパーティーのお話、お気に入りのハンカチが突然どこかへ行ってしまった話、学校のプールにイルカが泳いでいる話、ブランコを壊してしまったゾウの話などなど、少し聞いただけでどんなお話かとても気になるおもしろそうな物語がたくさん揃いました。読んでみたいと思いませんか? では、その中から一つ、ぼくが特に気に入った『きょうりゅうの友だち』という作品をご紹介いたしましょう。
『ここはきょうりゅうの小学校です。そこにティラノサウルスがいました。』
このように始まります。ティラノサウルスは、学校の帰り道、友達のトリケラトプスにこういいます。
『理科のテスト0点をとったんだってな。』
もちろん、トリケラトプスは怒ります。ティラノサウルスだって負けていません。二人(?)は大ゲンカになってしまいました。大迫力です。ケンカしたまま別れます。
その後、ステゴサウルスが来て、ティラノサウルスになぜケンカをしたのかたずねました。ティラノサウルスは答えます。
『この前のテストでトリケラトプスが100点のとき、ぼくは80点だったんだ。そのとき、トリケラトプスに「おれより20点も下じゃないか」とからかわれたんだよ。』
そうなのです。ケンカには理由があったのですね。トリケラトプスの、その言葉がいやだったんだよ、と。気持ちはよくわかります。けれども、ステゴサウルスは、ちゃんとティラノサウルスにもいいます。
『だったら、そのとき言われていやだったことをいえばよかったんだよ』
もちろん、ティラノサウルスもそれはわかっているのです。
『だって、言いづらかったんだよ』
さあ、ステゴサウルスはどうしたでしょうか? 次のせりふをご覧ください。
『そうか、わかったよ。でも、なかなおりしたいだろ。ぼくもいっしょにいくからトリケラトプスにあやまりなよ。』
物語は、最後また3人(?)が仲良くなり、いっしょに遊ぶところで終わります。
最初に読んだとき、まず0点のところでつい笑ってしまったのですが(恐竜の小学校という発想もすばらしいですね)、最後は本当に感動してしまいました。
せりふの一言ひとことが、非常にリアルで、けんかしたときの胸の痛みがとても伝わります。仲直りを手伝うステゴサウルスのキャラクターもいいですね。作者の思いがいろいろなところでしっかり表現されているすばらしい作品だと思いました。本当に絵本として読みたいなと思いました。
子どもたち書いてくれるお話はどれもみな本当におもしろいです。また機会があったらぜひ書いてください!!
NEWS板橋校室長
三木 裕