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第218回

名探偵ふたたび

2011.10.18更新

アガサ・クリスティーの『邪悪の家』という本を古本屋さんで買ってありました。それを日曜日から読み始めようとしたところ、始まり方になんとなく覚えがあります。おや、と思いつつ、読む進めると、エンドハウスという場所の名前がすぐに出てきました。これで完全にわかりました。前に読んだことのある本だったのです。ただし、違う出版社のものです。

ぼくが読んだものは『エンド・ハウスの怪事件』という創元推理文庫の本で、日曜日に手に取った本はハヤカワクリスティー文庫のものでした。同じ作品でも訳者によってずいぶん題名が違いますね。英語の題は『Peril at End House』というそうで、Perilというのは、危機とか冒険という意味のようです。End Houseは、命を狙われるヒロインがそのとき住んでいる家の名前です。誰が犯人かわからないまま何度も危機の訪れるこの家はたしかに邪悪な空気に満ちています。

どちらの本も直訳ではないですね。命を何度も狙われることと、Endをもしかして作者は掛けて、この家の名前をつけたのでしょうか? 英語に自信がないのでちょっとわかりませんが……。ちなみに、ぼくがいま読んでいる『邪悪の家』は詩人の田村隆一が訳していまして、とても読みやすくおもしろいです。田村隆一訳のミステリーはぼくの中ではずれ無しのブランドです。

ミステリーはもちろん英語の勉強とは違いますから、正確な訳が一番とはもちろん限りません(あきらかな誤訳はいけないにしても)。今回の本の題名のように、原作の雰囲気を重視するのもいいですし、思い切って内容をイメージさせる題にしてしまうのも、読む気をそそらせます。そういった楽しみができるのも、翻訳本の魅力の一つかもしれません。英語の授業でこんなことまでできたら、きっと楽しいだろうなとも思います。でも、そのためには、まずしっかりした英語力と国語力が必要になりますが……。NEWSでもいつかそんなクラスを作ってみたいと思いました。

さて、同じ本と気がついたぼくですが、そのまま『邪悪の家』を読み続けています。前にたしかに『エンド・ハウスの怪事件』を読んだはずなのですが、さっぱり犯人も手口も思い出せないからです。ミステリーというのは、筋をきれいさっぱり忘れさせる効果があると書いていたのは福永武彦だったような気がしますが、我ながら見事な忘れっぷりに驚いてしまいました。おかげでも、もう一度、灰色の脳細胞の名探偵エルキュール・ポワロの推理を楽しむことができます。秋の夜長にそろそろなってまいります。今夜もゆっくりと読書を楽しみたいと思います。

NEWS板橋校室長
三木 裕

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会社概要

商号
株式会社 NEWS(ニュース)
創業
2000年3月1日(株式会社国大セミナーの一部門として創業)
設立
2012年10月1日
資本金
1000万円
代表者
           
代表取締役 小倉拓也
本社
〒330-0063 埼玉県さいたま市
浦和区高砂2-5-5 KIビル 3F
電話
048-831-2223
事業内容
子どもの総合教育企業。
子どもたちが、21世紀を生き抜くために必要な教育を提供している。1人ひとりの成長に責任を持つために、全ての事業は少人数制を基本としている。
グループ
株式会社 国大セミナー
会社
設立:1985年10月1日
■学習塾(国大セミナー)104校(2024年3月現在)
グループ
株式会社 NEWSエンターテインメント
会社
設立:2008年10月1日
■子役養成機関(NEWSエンターテインメント)
グループ
株式会社 そらまめキッズツアー
会社
設立:2010年10月1日
■子どもの体験型ツアー実施する旅行会社
(そらまめキッズアドベンチャー)
グループ
株式会社 オレンジプラネット
会社
設立:2015年2月1日
■保育園・インターナショナル保育園・学童くらぶ
グループ
株式会社 ドリームプラネット
会社
設立:2015年6月1日
■生活・文化・新規事業部門

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