前回のコラムで、小学生国語の全国学力調査問題について書きました。今回は、中学生の国語の問題について書いてみたいと思います。
大きな問題は四問ありました。①発表会の発言の読み取り、記述②意見文③読解④敬語(メールでのやりとり)の四つです。③の読解では『吾輩は猫である』を使っておりました。昨年の問題には読解問題はありましたが、物語ではなかったので、ちょっと振れ幅が大きいかな、と思いました。吾輩の心情を書かないといけないので……。むずかしかったかも。
実は、昨年の問題に、ひじょうに好きな問題があったのです。
この四角に Aほろほろ Bぼろぼろ Cぽろぽろ このどれかを入れて、なぜそれがふさわしいかを書きなさい、という問題です。A、B、Cの言葉にはそれぞれ解説があり、その解説を理解し、卒業の情景、心情などを踏まえて、選んだ理由が正しく書かれていれば、A、B、Cのどれでも正解になったようです。いやあ、これ、すごくいいですねえ。丸付けは大変だと思いますが……。
今回も①の発表会の最後の発言で、だれがどのような発表するのがふさわしいと思いますか、その理由も書きなさい、という問題があり、これも、だれを選んでも、その発言と理由が正しければ正解という問題がありました。でも、これは、まあ、だれを選ぶかの選択に、感性よりも、論理のほうが、優先されると思います。ですが、昨年の俳句の問題は、感性からスタートするような問題の気がします。論理的には三つともまちがっていないですから。そこがいいな、と思ったのですが、今年はなくなってしまいましたねえ。
昨年はコロナの影響で、問題発表だけで実施はされませんでしたので、実際にどのような解答が多かったのか、どの解答の正解率が高かったのか、おもしろい答えはあったのか、すてきな理由はあったのか、などなど、なにもないのが残念です。
そういったことも含め、今年の問題のほうが、ちょっと『お堅い』かな、という感じがしました。メール文での敬語など、取り上げたほうがいい問題なのかな、とも少し思いますが、全体的なバランスはよかったかな、と思います。昨年の問題は、俳句以外も、少しマニア(?)な感じがしました。正解率は、『猫』以外は、高めと予想します。どうでしょうか?