新聞の連載記事で、大阪のある小学校の約束について書かれているのを、ずっと読んでいました。その小学校での約束はたった一つだそうです。
『自分がされていやなことは、人にしない、言わない』
校長先生がお考えになった約束だそうです。連載のあいだに、いろいろな子どもたちが出てきました。約束を守れず泣いてしまう子、すっきりする子も、我慢ができない子もいます。
「俺は自分が言われても平気やから、友達にバカって言ってもええねん」
そんな風に開き直る子も。校長先生には「本当の気持ちが言えず虚勢を張っている」と見える、と書かれていますが、たしかにそうなのだろうな、とぼくも思いました。
でも、ちゃんと約束を守って、自分から校長先生のところに謝りにくる子がいます。その学校には、約束といっしょに、約束を守るために必要な四つの力というのもあるそうです。
・人を大切にする力
・自分の考えを持つ力
・自分を表現する力
・チャレンジする力
なんとすばらしい力でしょうか。そして、なんとむずかしい力でしょうか。大人でもしっかりと持っているかどうか……。ウソ、ゴマカシの気持ちは、大人になってもなかなかなくなりません。校長先生は、子どもたちに、何の力が足りなかった? とたずねるそうです。
連載の最後はこう結ばれていました。
「たった一つの約束」は今を生き抜く知恵であり、技だ。使い倒そう。明日もすべての子が笑顔で学校に来るために。
子どもたちに向き合う校長先生をはじめとする学校の先生方の真摯な思いに心打たれます。NEWSがみんなに身につけてほしいと思う力と、この小学校の四つの力は重なっているように思いました。自分がされていやなことを人にしない約束を学んだ子が、自分がされてうれしいことを人にするようにしたい、という考えをこの小学校の作文で書いたそうです。これこそが、自分の考えを持つ力なのでしょう。NEWSでも、ぜひみんなに考えてほしいと思います。そのためには、まず自分が考えを持たないといけないですね。がんばります。
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕