またまた深夜のテレビの話で恐縮ですが、昨夜、かなり遅い時間ではあったのですが、つい最後まで見続けた番組がありました。大人の発達障害をテーマにした福祉の連続番組の再放送のようでした。見たのは偶然で、しかも途中からだったのですが、目が離せなくなってしまいました。
大人の発達障害といってもさまざまで、まだまだわからないことも多く、正確な判断が難しいのだそうです。診断されるまで10年以上かかったり、診察を受けるのにも何年も待たなければならなかったりと、多くの問題があるようです。福祉の現場に居てすら自分の居場所をを見つけられずに悩むという人の声も紹介されていました。
もちろん、ぼくには専門の知識はありませんし、なにかをしてきたこともありません。ただ、この番組には、実際の当事者として、発達障害を持ちながら、そういった人たちのために働いたり、活動をしたりしている人が、たくさん出られていまして、そのお言葉に、ぼくはひたすら聞き入っていました。
『障害は劣っているのではなく、できることとできないことの差が激しいということ。だから、できないことをできるようにするよりも、自分ができることを伸ばせば道が開ける。』
ぼくの意訳が混ざっているかもしれませんが、そのような主旨の発言がありました。そして、ぼくは、自分のよさを見つけられればいいけれど、それが難しいのではないだろうか、まわりの人が、その人を理解し(理解しようとし)見つけてあげればいいのではないか? と思いました。その人にあった支援が必要というのは、番組の中でも何度か出てきた言葉でした。
大人の発達障害がテーマの番組でしたが、これは、人が生きていくこと、人が学ぶことすべてにあてはまることだとも思いました。できないからといって、すべて努力が足りないと思われ、怒られ、批判されるのがつらい、という人の気持ちは、多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか。
子どもたちの指導で、できない=努力が足りないの法則を、そのまま100パーセント使う教育者はいないと信じます。まずは、なぜできないのかを見つけるのがぼくらの仕事で、そこから、ならばどのようにしてできるようにするのかを見つけ、できるように教えることでお金をいただいているのですから。それができなければ、教育者などという名前は名乗れません。
ぼくがいまNEWSの先生でよかったと思うのは、その子たちのよさを見つけようとすることに全力を傾けられる場所だからです。NEWSは勉強も教えますし、お絵かきや、実験や、いろいろなコースがあります。いろいろな先生がいて、いろいろなことを教え、いつでも、みんながどんな大人になってほしいかを考えています。
いつのまにか、ぼくがいまいるNEWS板橋校の先生は、元NEWS卒業生だったり、ぼくの教え子だったりする人が半分近くになってきました。青葉台校や、センター北校で教えた人も来てくれています。彼ら、彼女らのよさを見つけたのがぼくなのだとうぬぼれたい気持ちもなくはないのですが(?)、もともとみんながそれぞれ持っていたすばらしさが、一つの力になったのだと思います。ぼくは、ほんの少しだけ居場所を作っただけです。彼ら、彼女らが、これからは、その力を、また新しいNEWSの子どもたちにわけてあげてほしいと願います。
できない=努力が足りない、ではなく、なぜできないかを理解すること。そして、もっとできることを見つけること。これが、ぼくのこれからもやりたいことです。
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕