ある作家の本を読んでいました。エッセイや小説、紀行文など、ものすごくたくさん書かれている方で、好きな作家のひとりです。同じ週刊誌で何十年も連載を続けていまして、そのうちの1冊を読んでいました。
そして、そのあと、外出先で手元に読む本がなかったことから、そのエッセイ集がまだ読み終わらないうちに、同じ作者の別のエッセイを読み始めました。読んでいると、同じ作者なのですが、かなり雰囲気がちがうように感じられました。先に読んでいたエッセイ集のほうが落ち着いた感じで、次に読み始めたほうが若々しい感じです。どちらもおもしろいのですが、書かれた時代がかなりちがうのではと思い、調べてみました。やはり、あとから読み始めた本のほうが先に書かれていました。しかし、書かれた時期は意外に短く、十年もちがわないときに書かれていたものでした。
発表された場もちがうようだったので、それに合わせた文体や内容のちがいもあるのかもしれません。しかし、それでも、こんなに雰囲気が変わるのかと思いました。さすが、プロの作家はちがうと思いました。
その作家さんは四十年以上も書き続けていますので、さらに昔のものや、新しいものをつづけて読めば、またきっとちがう印象になるのだと思います。まず、読者の期待に応えて、それほど長く書き続けるというのがすごいことですよね。今回調べてみたところ、自分もかなり読んだつもりでしたが(40~50冊くらい?)、まだ読んでいない本のほうが、その何倍もあるのでした。
なかなか同じ作家の本を順番に読むことはむずかしいですが、たまたま読んだ2冊でも、そのちがいを楽しむことができました。こんな本の楽しみ方も、NEWSの子たちに話せたらと思いました。