昨年、『はやぶさ2』の小惑星のサンプル採取が大成功するといううれしいニュースがありました。そして、その少し前にも、NASAの探査機『オシリス・レックス』が小惑星のサンプル採取に成功していたということをテレビで知りました。
ぼくは、その成功自体知らなかったのですが、『オシリス・レックス』の成功に、日本のはやぶさチームも関わっていたのだそうです。NASAのチームが、はやぶさチームのところへ赴き、アドバイスをもらえないかと依頼し、はやぶさチームのリーダーも快く応えたのだということです。すばらしい友情物語があったのですね。
予算だけ見るとNASAの数分の一以下の規模でしかない日本ですが、はやぶさ初号機の経験というお金では買えないものがありました。実際に、『オシリス・レックス』がトラブルにあったとき、はやぶさの経験が、解決に非常に役に立ったそうです。
はやぶさチームのリーダーが、このようなことをいっていました。
「成功と反対は正反対のものではない。成功しなかったことが、次の成功へのヒント、きっかけになる」
はやぶさの経験を惜しみなく教えた根底に、このような技術者としての信念のようなものがあったのではないかと思います。『オシリス・レックス』と『はやぶさ2』の成功と、それまでの数えきれない失敗が、また新たな宇宙への旅立ちへとつながるのですね。失敗することを恐れずに、というのは、まわりがその失敗の意味を認めて、次の扉を押してあげることまでを意味するのだと思います。NEWSの子たちに、そういう失敗と成功をしてほしいと思います。