プロ野球で『二刀流』に挑戦している大谷選手をご存知でしょうか。まだ高校を卒業したばかりですが、投手でエース、バッターで四番を両立させようという挑戦をしています。正直この話を聞いたときは、いくらなんでもそりゃ無理だろう、どっちかにしぼってやったほうがいいのでは、と思いました。ところが、どうでしょう。高卒ルーキーが一軍に残るだけでもすごいのに、ちゃんと両方で結果を出し、オールスター戦にも両方で出場してしまいました。大ベテランの三浦投手の超スローボールで打ち取られたりもしましたが、見事に観衆を沸かせました。投げてよし、打ってよし、本当にすごい選手です。
大谷選手はドラフトで日本ハムに指名される前は、メジャーリーグに行きたいといっていました。かなり意思は強そうだと、どこも指名を回避した中で、日本ハムだけが指名し、粘り強い交渉の末、入団しました。その交渉の際に使用された資料の中に『急がば回れ』と書かれたものがあったそうです。
もともとこの言葉は、琵琶湖での輸送に関してのことなのだそうです。直線距離では、船で運ぶのが一番早そうだ。しかし、船は天候によってまったく動かないということがよくある、本当に急いでいるときは回り道でも陸路で行きなさい、ということから生まれたそうで、その話が大谷選手の資料に載っていたとある雑誌で読んだのです。ここでいう大谷選手の『急がば回れ』というのは、メジャーでやる夢をかなえるためにはまず日本でしっかりやったほうがよりすごい選手になれるということを伝えたかったということですが、いまメジャーリーグでもいない二刀流を成功させつつあるのですから、日本に残ってよかったのではないか、と思います。
なぜ、唐突に『急がば回れ』を思い出したかといいますと、テレビで大学生のロボットコンテストを見たからなのです。何の気なしに見たのですが、その高度な技術と迫力にぐいぐい引き込まれて見てしまいました。優勝した金沢工業大学のロボットは、数々の難題をクリアし、予選からすごいタイムを出していました。しかし、そのあまりの精度に、ほんの数ミリといったずれがミスにつながり、大きなタイムロスとなって、あわや敗退というときもありました。ここで、『急がば回れ』という言葉を思ったのですが、それだけでは終わりませんでした。たしかに精度を甘くすればミスが減り、大きなタイムロスの危険は減るでしょう。ただ、決勝戦では昨年まで2連覇中の東大相手に、完璧な展開で、それでも相手とわずか1秒くらいの差しかありませんでした。『急がば回れ』のやり方ではおそらく勝てず、ぎりぎりまで精度を高め、これ以上無いくらい急いだからこその栄光だったのです。
大谷選手も日本でプレーすることが実は『最短距離』だったのかもしれませんし、金沢工業大学のロボットも『急がば回れ』の末にこうなったのかもしれません。ただ、どちらにしても、目標をしっかり捉え、それについて最大限の努力をすること、これが大事なのでしょうね。すごい若者たちの姿を見て、(ぼくもまだまだ若いつもりですが)負けてはいられないな、と思いました。
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三木 裕