先日、帰宅してからテレビで『天空の城ラピュタ』を見ました。終わりの方しか見られなかったのですが、ぐいぐいひきつけられてそのまま最後まで見てしまいました。ずいぶん久しぶりに見たはずですが、内容はかなり覚えていました。その中で今回、特に印象に残ったのは、最後、滅びの呪文とともに崩壊したラピュタが、大きな木のねっこをむきだしにして飛んでいくところです。ある漫画と小説のイメージが浮かんだのです。
一つはおなじみの漫画『ワンピース』ですね。空島のエピソードを思い出しました。空島にはたくさんの人々が住んでいる一つの大きな国ですのでラピュタとは違うのですが、イメージとして……。雷で地上に攻撃する場面もありました。
そしてもう一つは巨大な植物のイメージとしてブライアン・W・オールディスのSF小説『地球の長い午後』が浮かびました。地球を覆う巨大化、凶暴化した植物の世界で、ほんのわずかな人間が生きていく姿を描いた小説です。次々と現れる奇怪な植物の描写に圧倒される小説です。
漫画、アニメーション、小説とそれぞれ違う分野ですが、それぞれの世界観を持ち、すみずみまで構築された圧倒的なイメージの描写は、いろいろな形で心に残っていくのだなと思いました。そして、その心の中に残ったイメージがすぐれたものであればあるほど、また新しい文化や芸術を生み出していくのかもしれません。どんなジャンルであれ、すぐれた作品には、人の心を打つなにかがあります。空へ空へと舞い上がっていくラピュタの最後は、人類へなにかを語っているように見えました。
地球はまわる 君をのせて
いつかきっと出会う ぼくらをのせて
今回は見られなかったのですが、石をほりつづけているポムじいさんは、『あまちゃん』に出ている琥珀を探し続けている人とイメージが重なりませんか? あと今回はじめて知ったのですが、パズーの声は、『ワンピース』のルフィの声の人なのですね。時代を超えて、いまでも十分おもしろい映画でした。読書感想文たけなわの時期(?)ですが、こういう映画の感想文なんかも、みんなに書いてもらいたいです。ぼくはこれまで『天空の城ラピュタ』を何回見たでしょう。またいつか、ちゃんと最初から見たいです。
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕