9月の作文倶楽部、高学年用のカリキュラムは『物語を作ろう!』でした。保護者様へのご説明用の資料がありますのでご紹介いたしましょう。
「物語を書こう! アリスとホームズと……」
9月の授業の3回を使ってオリジナルの物語を書いてもらいます。「不思議の国のアリス」のようなファンタジーでもいいですし、シャーロック・ホームズのような名探偵が活躍するミステリーでもかまいません。みんなの大好きなこわーいお話もいいかもしれませんね。想像力をめいいっぱい使って、ものすごくおもしろい物語を完成させましょう!
授業のねらい
7月から8月にかけて読書感想文を書いてもらいました。徹底した読み込みによる記述練習により、読解力アップにつながっているのではないかと思います。今回は、自分で物語を考えてもらいます。想像力の育成はもちろんですが、構成力や、5W1Hの書き方など、いままで習ったことの総復習をしたいと思います。
授業の内容について
まずは、さまざまな物語についていろいろと話を聞いていきます。自分の好きな物語、先生の好きな物語、最近読んだ本など、多くの物語について話し合ってもらいます。ここをきっかけに新たな本の世界に入ってほしいとも思います。
物語の作成にあたっては、6月の授業で使用しました「5W1H」のシートをまず使います。ここでは最初のシーンだけを考えてもらいます。おもしろいお話のはじまりをたくさん考えてください。そのあとは「起承転結」を習います。「転」「結」をうまく書けるでしょうか。気に入ったお話のあらすじが完成してから、実際に書き始めてもらいます。
最後に
物語作りは、とても楽しんで書いてくれる子と、ものすごく悩んでしまう子と、両極端にわかれることが多いです。先生といっしょに、まずは、とにかく楽しんでもらえればと思います。今回、タイトルに「不思議の国のアリス」と「シャーロック・ホームズ」を入れましたが、いまのお子さんにはどうでしょうか? どちらももはや古典と呼べるような作品ですが、古典ならではの楽しみもあります。そういったことも話せればと思います。
そして、今回の物語作りで一番気をつけなければいけないことは、必ず作品を完成させるということです。長く長く書いてしまうこともすばらしいですが、最後まで書けていなければ作品とはいえません。また、最後まで考えることによってはじめて、構成などの力も身につけられるのです。自分だけの物語を完成させる喜びと、自信を、最後に手に入れてほしいと思います。
という内容の授業だったのですが、今回もすばらしい作品ができあがったとのご報告をいただきました。一部で申し訳ないのですがぜひご覧ください。
『カブくんの大冒険』
カブトムシのカブくんと、クワガタのガタくんが、三つの薬を手に入れて大活躍します。なんと、最後にスピンオフ作品『海の中でのしょうたいだ!』もついておりまして感心しました。おもしろいアイディアです。
『ジオと博士の深海サバイバル』
冒険好きであらゆる物を知りつくしたいと思っている少年が主人公です。作者の豊富な(マニアックな)海の生き物の知識が、上手に物語に組み込まれていておもしろかったです。
『どうどうぶつぶつ大地しんのゆくえは』
クラスのリーダーてんとう虫のころみちゃんが学校にいるとき大地震がおこります。学校にいたさまざまな動物、生き物たちが子どもレスキュウ隊をつくります。動物たちの特性を生かした活躍で、無事パンダの子を助けることができました。現実に起こったことを取り入れつつ、夢と希望にあふれるすてきな作品になりました。
『最高の野球人生』
入団前から話題のすごい選手がプロ野球に入り、1年目から大活躍。しかし、肩に違和感を感じて試合に出られなくなってしまいました。地味なリハビリから復帰後の再びの大活躍を描きます。細かいところですが選手の数字のディティールなどが荒唐無稽になりすぎないところですごいところがリアルでした。
みんな自分の好きなことや思いを、しっかり物語に生かしていることが短いご紹介でもよく伝わったのではないかと思います。どれもすばらしい大傑作でした。10月は『星の王子さま』から始まっています。本当に大切なものは目に見えない……。またみんなの作文が楽しみです!
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕