本の紹介
小学校の授業をこっそり見学したタヌキのお父さん、これからはタヌキにも学問が必要だと……。

【おすすめポイント】
まずお話がおもしろかったです。人間の子どもたちよりもよっぽどまじめに勉強をしているタヌキたちの姿、そして、それをあたたかく見守るきょうとう先生。しかし、戦争が起こってしまいます。小学校低学年用ですが、文章量が多く、途中、むずかしいかも、と思うところがあり、ＮＥＷＳのおすすめにしようか迷うところもあったのですが、やはり、この本がいちばんみんなに読んでほしいと思いましたので、これにしました。べんきょうって、みんなはすきかな？　どうして、べんきょうしないといけないんだろう？　そんなことも、考えてほしいなと思います。

本の紹介
ひとりで留守番をしていたぼくの家に、なんだか青いへんなやつが来た。ぼくにいろんなことをさせようとするんだ……。

【おすすめポイント】
読書感想文の課題図書というのは、まあ、こういってはなんですが、なにかしらの問題を訴えかけるものがほとんどです。この『青いあいつがやってきた！？』もそうです。長い時間自粛生活を過ごしたいまの子どもたちにとって、より身近な問題かもしれません。それが、どうやって解決するのか、どうやって克服するのか、というところに、この本のおもしろさがあります。くわしくは書きにくいのですが……。主人公の切実さと、小さな一歩と、余韻の残るラストシーンと……。

本の紹介
目の見えないルーチョは、だれかに同情されるのが大嫌い。いま、叔母さんと山登りをしていますが、そこでも……。

【おすすめポイント】
まず、選ばなかった本『月と珊瑚』をご紹介させてください。この本もとてもおもしろかったのです。最初読んだときは、今年はこれだな、と思いました。しかし、そのあとに、こちらの『飛ぶための百歩』を読んだとき、同じくらいおもしろく、大いに悩みました。最終的に、こちらを選んだのは、好みの問題かもしれません（『月と珊瑚』はどちらかというと、保護者の方に読んでほしいと思いました。）。難病ものというジャンルがあり、秀作も多いですが、この本は、少し違います。ただ目が見えないだけの、だれにでも似た悩みがある男の子と、同じく悩んでいるべつの女の子の成長物語なのです。この『飛ぶための百歩』は、最初、視点が急に変わるので読みにくいかもしれません。『飛ぶための百歩を読むために』というプリントを作りましたので、サマースクールの読書感想文コースをお申し込みの方は、そちらに目を通してから読んでみてください。読み進めてしまえば、あとはぐんぐん物語が進んで、きっと自分も飛べるような気持ちになると思います。