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第331回

子どもたちは天才である

2013.12.20更新

 新美南吉の童話「ごんぎつね」については、このコラムでも何回かとりあげたことがあると思います。ひとりぼっちのきつね、ごんが誤解から人間の兵十に鉄砲で撃たれて死んでしまうラストは多くの人を泣かせました。そして、そのラストシーンを読んだ子どもたちからのすばらしい作品が生まれましたのでご紹介いたします。ごんぎつねのその後の物語を書いてくれたのです。(抜粋しています)

作品1
兵十はふっと顔をあげました。するとゴンぎつねが家の中にはいっているではありませんか。
「あのゴンギツネめ。おっかあの、かたきだ。」
と火なわじゅうに、火やくをつめゴンをうとうとするとゴンが
「わ~」
といいながら、にげていきました。
「ちくしょう。」
すると土間にくりがあるのが見えました。
「ああゴンがやってたのか」
その後兵十はゴンのポスターを作りました。兵十はゴンにれいがいいたくてゴンをさがしているのです。
「よーしもうひとがんばりだ。みんな~ゴンを見つけてください。ゴンはくりや松たけをくれるやさしいきつねだから見つけてください。ゴンをみつけておれいがいいたいのです。みなさんおねがいします」
それから2日ごようやくゴンをみつけました。兵十はゴンの好きなあぶらあげを3まいあけました。そのあと二人で仲よくくらしました。


作品2
兵十はごんに、
「ごめんな。ごめんな。わるぎはなかったんだ。かんちがいしてうってしまったんだ。本当にごめんな。」
と言っていました。ごんは、
「うっうっうん。」
と言って、ごんは、自分がくりをもっていっていたことを分かってくれたらいいんだ。と思っていました。そしてごんは、ざんねんながら次の日死んでしまいました。
 でもごんは天国に行って兵十のおっかあに会いました。ごんは、
「ごめんなさい。」
「何がでしょうか。」
「何がって、うなぎが食べられなくって死んだんじゃないんです
か。」
「いや、ちがいますけど、あなただれですか。」
「ぼくは、兵十がうなぎをとっていたのをとってしまったのです。」
「あらそうだったの。でもわたしは、うなぎが食べられなかったのはショックだったけれど、うなぎが食べられなかったせいじゃなくて、前からのやまいのせいなんです。」
「え~~っ。」
「もしかして、知らなかったんですか。」
「まあ、死ぬ前に知りたかったけど、分からないままず~っとすごさなくて、ちゃんとしたことが知れてよかったです。」
ごんとおっかあは、天国で友だちになりました。そして、兵十と加助は、ごんとおっかあのぼちをつくって死ぬまでず~っといのり続けたとさ。めでたしめでたし。


作品3
兵十は立ちあがって納屋にかけてある火縄銃をとって、火薬をつめました。そしてうつしゅんかんに栗をごんが持っているのが見えました。
「いつもお前が栗と松たけをくれたのかありがとう。でもごんは食べ物をくれたけどうなぎはとったぞ、どうしてだ。」
ごんに聞こうとしたらごんがいませんでした。兵十と加助はあわててさがしました。そしてしばらくさがして10kmもとおくにいってしまったので野じゅくしました。そしたらそこにごんがいました。
「お前こんなところにいたのか、でもどうしてこんな遠くまでいったのか。」
そしたらごんは
「いつもぼくがここで栗と松たけをとっている場所だったから。」
「そういかまた食べ物をくれるのか。」
それから兵十はごんとくらすようになりました。


作品4
あのことから十年たち今の兵十のとしは三十さいです。兵十は連日のうかの作業をしているため、疲れがどっさりたまっています。それでのうかの作業をしているとき兵十がたおれてしまったのです。
そして兵十は病院にはんそうされ意識不明の重体でした。その時兵十はある夢を見ていました。その時兵十が見た夢はごんと天国で会った夢でした。
「ようー兵十元気にしてるか」
ごんがふつうに話しかけてきました。
「兵十お前、連日の農作業で疲れがたまってただろ。それに気づかないお前は作業をやり続けて、たおれたんだ。」
「じゃあなんで俺はここに。ここは天国なのか。」
「ここは天国じゃない。天国に行く前のところだ、だからお前はまだ死んでない安心しろ」
「じゃーなんでごんはここに来たんだ」
ごんは顔をしかめながら言いました。
「お前が天国に来るって聞いたからここに来たんだけど今思うとなんで喜んでるんだろうと思う。だって兵十が死んで喜ぶなんてバカみたいだぜ。」
兵十がウルウルしながら言いました。
「ごん・・・。俺ってもう死ぬのかなー」
ごんがしかめた顔から笑った顔でいいました。
「おい何言ってんだよ。おまえもうこっちこようとしてんのか、そんなんまだ百万年早いよ。」
ごんが爆笑しながら言いました。
「そうだよな、そうだよな。」
ごんはっさきとはいっぺんに変わり悲しそうな顔で言いました。
「じゃー兵十、じゃあな、俺帰るわ、かいふくを祈って上から見てるぜ」
兵十はぽかーんと口をあけこう言いました。
「どこに帰るの、もしかして天国なのか、もう会えないのか」
ごんは笑いながら言いました。
「バカヤローまたお前が百万年生きたらこっちに来るんだな。そんじゃまた百万年後絶対生きろよ」
ゴンの姿はだんだんうすれていきとうとう消えてしまいました。その直後兵十のしかいもうすれていきまっ暗になりました。
そして気がつくと病院にいて体もすごく軽くなっていました。本当はもう死ぬところだったんだけど意識を取り戻し、きせきの大逆転だったんだと医師がこうふんしていました。
その大逆転劇はごんが引き起こしたのだと兵十は思いました。
「ごんありがとうまた百万年後よろしくね。」


「この4つのその後の物語にあふれる共通のものにみなさん気が付かれたのではないかと思います。子どもたちは本当に天才ですね。

 なぜ、このような物語にしたのかをあとがきに書いてくれた子が二人いましたので、最後に付け加えておきます。

あとがき
 わたしはなぜ、おっかあとごんが天国で会うことにしたかというと、ごんが、おっかあが死んじゃったということを、本人のおっかあから聞いたほうがいいんじゃないかと思ったからです。ごんに本当のことを知ってもらって、すっきりして、2人でなかよくしてほしかったからです。


あとがき
 ぼくはなぜ、お話をかえたのかと言うとごんがしんでかわいそうだったからです。兵十が栗や松たけをごんがしんじゃったらもうたべることはできないからです。兵十が一人ぼっちでかわいそうだったからです。だからぼくはごんが死なないで一しょにくらすお話にしました。この話でつづくとそのあとはなかよくくらしていると思います。


 センター北校から届いた寒い冬を温めてくれるNEWS作文倶楽部の物語でした。みんな最高です。ありがとう!


NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長  
三木 裕

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創業
2000年3月1日(株式会社国大セミナーの一部門として創業)
設立
2012年10月1日
資本金
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代表取締役 小倉拓也
本社
〒330-0063 埼玉県さいたま市
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電話
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