お世話になっております。NEWSの2014年もスタートいたしました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。みなさまもNEWSも、ウマのように天高くはねる一年になることを願っております。
さて、昨年は巳年でしたので『へびのクリクター』という絵本をご紹介いたしました。今年はウマの出てくるお話をご紹介しようと考えたとき、真っ先に浮かんだのが『長くつ下のピッピ』でした。ウマなんて出てきたかしら? と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと出てきます。だって、ピッピはウマといっしょにごたごた荘という家に住んでいるのですから。サルにはニルソン氏という名前があるのに、ウマにはついていないようなので、印象が薄いかもしれません。でも、ピッピは軽々とウマを持ち上げるくらい力持ちなので(表紙などでもよく使われる場面です)、ピッピとウマはぼくの中ではかなり密接な印象があります。
ほかにも『スーホの白い馬』やナルニア国物語の『馬と少年』など、たくさんあると思いますが、ぼくはピッピが、そして、作者のリンドグレーンがとにかく好きなのですね。ロッタちゃんややかまし村のように映画になった本も多いですし、ピッピや名探偵カッレくんのように長く読み続けられている本も多いです。カッレくんやピッピを読んで一番ぼくが感じるのは、作者がとにかく徹底的に子どもたちの視点に立っていることのすごさです。こんな場面がありました。ある女の子が大人にいたずらをします。もちろんいたずらをされた大人は怒ります。当然ですね。そして、怒った大人が立ち去った後、女の子はこういうのです。
「あー、おもしろかった。このあとまたああいう、がみがみやがくるといいんだけど」
本を見ないで書いているので多少違うかもしれませんが、こんな感じのことをいうのです。ぼくは初めてこの場面を読んだとき、本当に感動しました。ここには、本物の子どもがいる! こういう場面を読んで眉をひそめる大人も多いと思います。やりすぎだとか、荒唐無稽すぎるといった声を聞くこともあります。ただ、子どもたちは拍手喝采だったのではないかと思います。本を読む楽しさ、自分たちの仲間がいる喜びが、ピッピやカッレくんにはあふれています。そして、いつか大人になることへのあこがれと、さみしさも。リンドグレーンの本を読むと、いつも大笑いして、最後にとても切ない気持ちになります。ぼくはあまりにリンドグレーンが好きなので、作文倶楽部の学習単元の中にも組み込んでしまいました。ぜひ機会がありましたら、一度読んでみてください。ピッピやカッレくんに会ってほしいです。とても、とてもおすすめです。
※NEWSは1/7(火)~1/9(木)までお休みとなります。1月の通常授業は1/10(金)から始まります。
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕