新型コロナの問題がなかなか収まりません。学校の休校、商業施設の休園など、全国規模での非常事態となりました。スポーツの世界でも、Jリーグやプロ野球の開幕が延期になり、ほかにも大相撲が無観客試合になったり、センバツ高校野球もとうとう中止になってしまいました。落ち着いてスポーツ観戦を楽しめるようになるのは、いつなのでしょう。 中止になったり、延期になったり、無観客でおこなったり、それぞれに理由があり、どの決断も、たいへんむずかしいものだっただろうと思います。正解はわかりません。ファンとしては、またいつものように観戦できる日が来るのを待つだけです。
無観客試合は外国でもおこなわれているようで、新型コロナ問題の大きさがうかがえます。その中で、ちょっと、心温まるサッカーの試合のエピソードを見つけましたので、ご紹介したいと思います。海外サッカーの欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2戦、バレンシア(スペイン)―アタランタ(イタリア)の試合も、無観客試合で行われたのですが、客席にいた1人のファンが話題になっているというのです。無観客試合なのにお客さん?
バレンシアの本拠地メスタージャのオレンジの客席に、ジャケット姿で、手元には1本の杖を置き、眼鏡の男性ファンが座っています。それは、生涯バレンシアを応援し続けたヴィセンテ・ナバーロさんという方の銅像でした。ナバーロさんは何年間もシーズンチケットを購入し、50代で失明してもなお、毎週クラブを応援し続けました。17年に亡くなられましたが、試合をいつまでも観られるようにスタジアム内に銅像を設置したのだそうです。バレンシアのクラブ公式ツイッターは試合前に「私たちはバレンシアの魂だ。なぜなら、ほらここに……。無観客で行われる試合は一つもない」というメッセージを送ったとか。
すごいサポーターがいたのですね! そのサポーターのおかげで、バレンシアの選手たちは、無観客試合ではない試合ができたようです。きっと勇気をもらったことでしょう! (残念ながら試合は負けてしまったようですが……) 観客席に銅像を建てたということが、そもそもすばらしいと思いました。
なかなか明るい話題というのは少ないですが、こういったことで、気持ちが和らいだりします。前向きな気持ちは忘れずに、日々、子どもたちと接していきたいと思います。