新型肺炎のニュースが連日新聞テレビ等で報道されています。どんどん被害が大きくなっているようで心配です。インフルエンザなど、ただでさえ体調を崩しやすい時期でもあります。実際に学級閉鎖になったり、NEWSをお休みする子も多いです。みなさまも体調にはくれぐれもお気をつけください。
さて、話は変わりますが、まだ高校生の将棋のプロ棋士藤井聡太七段の活躍が止まりません。つい先日は、昨年優勝した大きな大会で、ベスト4で負けてしまったと大きく報道されていました。棋士全員が出場する大会でのベスト4ですから、それだけでもすごいことですが、なによりも『負けてしまった』ことがニュースになるのが、すごいと思いました。
また、その少し前にも、一年間の獲得賞金額がついにトップテンに入ったというニュースが流れていました。将棋の大会は勝てば勝つほど高い賞金になります。また、勝ちつづけることにより、試合も増え、そのまま賞金が増えるチャンスも広がります。ただし、勝てば当然対戦相手も強くなっていきます。そういった中で、賞金獲得額がトップテンに入ったわけですから、やはり上位の実力があるということなのでしょう。本当にすごいです。
しかし、藤井七段がいくら強いといっても、いきなり名人というタイトルは取れません。プロになったあと、順位戦というランク別の戦いを一年ずつ勝ちあがっていかなければいけないシステムになっているのです。将棋の名人になるためには、だれもが、C級2組からスタートします。そこで上位数名になると、C級1組、B級2組、B級1組と上がっていき、最後のA級の順位戦で1位になって、ようやくそのときの名人に挑戦する権利を得ます。そして、名人から先に4勝すると、名人のタイトルを取ることができるのです。まだまだ先は長そうです。
前回の順位戦では、あと1勝ということろで昇級を逃してしまった藤井七段ですが、今回は負け無しで勝ち進み、次回からはB級2組に上がることになりました。もし、来年、再来年と昇級しつづけて、名人にも勝つと、史上最年少の名人になるようです。ちょっときびしい話ですが、絶対に無理な話とも思えないのが、藤井七段のすごいところですね。
ちなみに、いまのところの史上最年少名人は、谷川浩司九段が持つ21歳2カ月なのだそうです。羽生九段の前の将棋界のスターであった谷川九段は、今回の順位戦の成績がふるわず、次回はB級2組に降級となってしまいました。藤井七段と同じ級になるのです。二人の対戦が組まれるのかはわかりませんが、対戦したらとても楽しみです。破竹の勢いの未来の名人を目指す若者が勝つのか、光速の寄せといわれ一世を風靡した元の名人が意地を見せるのか。個人的にはベテランの勝利を見たいですが……(ぼくはもともと谷川九段のファンですので)。
完全なピラミッドの形で勝ち負けだけで順位が決まる将棋の厳しい世界ですが、だからこその魅力があります。NEWSの算国将棋教室の生徒さんたちと、そんな魅力についてもお話できたらと思います。