この漢字読めますか? といったクイズなどがよくあります。わりと自信あったのですが……。完敗するときも、けっこうあります。なかなかむずかしいですね。
最近、『しまった!』と思った問題がこれです。
『健か』
この漢字の読み方は? 即答しました。「すこやか!」「ブー」はずれでした。
すこやかは、『健やか』で送り仮名に『や』が付きます。たしかに!
では、『健か』はなんと読むのでしょう? タイトルに書いてしまいましたが『したたか』と読むのでした。読めませんでした……。
それにしても、すこやかとしたたかでは、まったく意味が違います。どうして、健康の健という字を使うのでしょうか? ちょっと調べてみました。
したたかを漢字で書くときは、『強か』を使うことが多いと思います。この字からもわかりますように、したたかには、強い、しっかりしている、という意味があります。圧力に屈しないとか、粘り強いとか、どちらかというと、ほめるときに使う言葉であったようです。しかし、だんだん、ずるがしこい、というような悪い意味で使われることが多くなったきたようです。
したたかに、強かと健かの二つあるのも、よい意味での使用から生まれたようです。健やか、健康という言葉からもわかりますように、健かの強さは身体的な強さ、強かの強さは精神的な強さのニュアンスがあったようです。なので、この二つの漢字がどちらも「したたか」と読むのですね。
調べてみないと知らないことはたくさんあります。いまでは、『彼はいい意味でしたたかだよ』みたいな形で、あえて「いい意味で」を付け加えないと、悪口になってしまいそうな言葉も、漢字を調べてみることで、その経緯がわかったりするのでした。読めない字も、そこから勉強になったりするよ、と子どもたちに教えたいと思います。みんな、わからない字があったら、一生懸命辞書を引いて、意味や歴史を調べてみましょう! きっとおもしろいと思います。