先日、テレビで、小学校の避難訓練の様子を特集していたので、見てみました。その小学校は、予告しておこなう訓練と、抜き打ちの形でおこなう訓練と、両方をおこなっていました。
地震というと、すぐに机の下に隠れて、という場面を思い出します。しかし、これは必ずしも正解ではないのだそうです。小学校にはいろいろな教室があります。いつ、どの場面で、地震が起こるかわかりません。原則として、なにかが落ちてこない、倒れてこない、場所に身を置くことが大切だということでした。図書室のようなところでは、とにかく、本棚から離れなければなりません。教室の中にいたときも、たとえば、そうじ中で机が一方に寄っているときに、あわてて机の下に隠れるのは、かえって危ないのだそうです。固定していない机は、そのまま倒れてしまう危険があるからです。校庭にいるときも、障害物がない場所に逃げなければいけません。
いわれてみれば、一つひとつ納得がいきますが、急に地震が起きたとき、冷静に判断ができるでしょうか。子どもたちもびっくりするでしょうし、大人たちでも、正確な指示が出せるでしょうか。テレビの避難訓練では、大きな声で指示ができていなかった先生が、次の訓練では、てきぱきと指示を出している様子が映っていました。大人たちにとっても重要な訓練だったことがわかります。
ふだんから、避難訓練をして、こういうときは、とっさにこういう行動をするというのを繰り返しておくことは、とても大切なことです。そして、もう一つ、抜き打ちでおこなって、自分がどこにいても、とっさにどうすればいいのかを自分で判断できる訓練をするのも、とても大事だな、と見ていて思いました。いま自分がいる場所の、どこが一番安全なのか、まわりに大人はいるか、子どもが一人なのか、たくさんいるのかなどなど、そのつど、そのつど、答えが変わってくるでしょう。しかし、その一瞬の判断が、命を救うことになるかもしれません。
防災の意識は、なかなか持ち続けるのは、むずかしいものだと思います。しかし、こういった訓練をつづけることは、とても必要なことだと思いました。本当の生きる力につながる教育だと思いました。ぼくらのような塾でできることはどんなことでしょうか。まずは、安全について、くりかえし話すことだと思いました。いろいろと考えることの多い番組でした。