みなさま、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。恐れ入りますがNEWSもお休みをいただきまして、ぼくも楽しく過ごさせていただきました。その中の一日、古本市に行きましたときに、おもしろい本を見つけましたのでご紹介したいと思います!
『大人にも子供にも楽しく遊べる家庭遊戯法』
大正12年に発行されたという手のひらサイズのかわいい本です。おうちで楽しく遊べるいろいろなゲームなどが三十六も載っており、非常におもしろいです。旧漢字、旧かなづかいで、ところどころ時代を感じさせる表現なども出てまいりますが(それもまた楽しいのですが)、いまでも楽しそうな遊びばかりです。まず最初に載っているのが、
一、椅子取り、蒲団取り
こちらです。椅子取りゲームのことですね。道具、方法の順で書かれています。
日本室で行う場合には座蒲団を数枚用意します。ピアノかオルガンが備えてあれば結構ですが、蓄音機で代用してもよし、若し何もなければ、ただ唱歌を唄っても出来ます。
蓄音機は当時どのくらい普及していたのでしょうね。つづいて、二つ目に「笛鳴らし」という遊びが書かれていますが、これはなんと『いたずら』です。何も知らない鬼役に目を瞑らせ、こっそり、着物に安全ピンでつけた笛をつけます。鬼の周りに人が並び、笛を吹いて、どちらから鳴っているか当てるという遊びのふりをするのですが、鬼役が振り向くたびに笛もうごき、そのつど、そこにいた人が笛を吹くので、『鬼はいよいよ面食らって、グルグル廻りますが、あまり方々で鳴るので全くまごついてしまいます。』。ずいぶん鬼がかわいそうですね。でも、最後にはちゃんと『これは何にも知らぬ一人を皆でからかって面白がるのですから、あまり執拗くならないように、良い加減に切りをつけて種明かしをすることが必要です。』と釘をさしております。といいつつ、この本、けっこう、こういういたずらをいくつも紹介しているのですが……。おおらなか時代だともいえるかもしれませんね。
四、長さあて、重さあて
身近にあるものも案外、長さ、重さを正確にはいえないと思います。それらを予想して、実際に測ってみます。思い掛けない品物(生の薩摩芋とか、床に置いてある花瓶)とかいうようなものの方が突飛で興があります、とのこと。たしかにそうですね。理科の授業にもつながるかもしれません。
七、御盆たたき
これは、スイカの代わりに御盆を使った『スイカ割り』のようです。
十、品物覚え
部屋に入ってそこにあるたくさんの品物を覚え、部屋から出た後いくつ覚えているか紙に書き競うというものです。NEWSはお部屋がいくつもあり、サイエンスの実験道具や、感性ピカピカコースのお絵かき工作の道具、そろばん、お習字などなど、お部屋によって品物も変わりますので、盛り上がるかも?
十一、林檎食い
運動会で行われるパン食い競争の林檎版です。これは、『食い』という言葉が気になりました。遊びの名前だけではなく何箇所か出てくるのです。子どもが「今日、林檎を食った」といったら、「食べた」といいなさい!と怒りませんか? けれども、全体的に上品なこの冊子でも、食べるとは書かないのか、と思いまして。でも、たしかに、パン食べ競争なんておかしいです。そして、よくよく読んでみますと、この遊びの紹介の中に、食べるという言葉も出てくるのです。「食べる」と「食い」がなぜあるのか? じっくり読み直してみまして、ぼくなりの解答を思いつきました。たぶん、なのですが、ここでは、通常は「食べる」を用いるのですが、「食いつく」ときには、「食い」を使っているようです。「林檎食べる競争」ではなく「林檎食いつき競争」なのです。わりとこういう細かいところが気になるたちなのです(相棒の杉下右京さんの真似をしてみました、すみません)。自分としてはしっくりきてうれしかったのですが……。
十三、はい、いいえ
地名か、人名か、いずれにしてもだれもが知っている有名なものを紙に書き、他の人には見せないようにします。他の人はいろいろと質問し、それに「はい」か「いいえ」だけで答え、なるべく少ない回数で当てるというものです。社会の問題になりそうですよね?
十八、地名遊び
同じく社会の問題にもなりそうな遊びですが、これはなんといまでいう『フルーツバスケット』です! 「フルーツバスケット!」という代わりに「東京」といいます。
どれも、みなおもしろそうだと思いませんか? いまでも遊んでいるものもたくさんあります。もっともっとあるのですが、またまた長くなりましたので、今回はこのへんで。次回にまたつづきをご紹介したいと思います!
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕