連休中に読んだ新聞の、いま売れている本の紹介の欄に、昨夏の小学生3、4年生の読書感想文課題図書が紹介されていたので、驚きました。絵本といいますか、全部写真の本で、『すごいね! みんなの通学路』(ローズマリー・マカーニー著)という題名です。
児童向けの本として出版されたのですが、感想文の課題図書としてだけではなく、ずっとじわじわと売れ続けているのだそうです。
毎年NEWSのサマースクールでは、作文倶楽部の講座として、読書感想文を取り上げています(今年も行う予定です)。そして、課題図書の中からそれぞれのグレードに合わせて一冊ずつNEWSのおすすめ課題図書もご紹介しております。この『すごいね!みんなの通学路』も、おすすめ本に選びました。昨年のこのコラムで取り上げておりますので、本の内容をもう一度ご案内させてください。
『すごいね!みんなの通学路』
【本の紹介】
あなたはどうやって学校に通いますか? 徒歩? バスや車に乗って? 世界には、川の急流やけわしい山道、高いがけを越えていく子もいます。世界中の子どもたちの通学風景をとらえた写真絵本。
【おすすめの理由】
実は、この本をおすすめにするかとても悩みました。内容はすばらしく、まったく問題ありません。とてもおすすめです。しかし、写真を中心とした本のため、文字数が少ないのです。物語を読むのが好きという子には物足りないかも……。ですが、やはりこの本にしました。一枚一枚の写真に添えられた言葉は少ないですが、写真そのものがものすごく多くのことを語っていると思ったからです。感想文に書くことによって、とても大事なことが学べるのではないかと思います。本を読むのが苦手、大嫌い! という子にこそ、ぜひ読んでほしいと思います。文章が少なくても読書感想文は書けます。NEWSで習って、国語を得意教科にする方法も学んでください!
実際にこの本を使って、感想文の指導をしたのですが、みんなしっかり書いてくれました!
心配された文字数が少ないことに関しては、本が好きな子ほど、抵抗が少なかったみたいです。内容に関して、真摯に向き合ってくれました。たぶん、大人よりも子どものほうが、直感で本物のよさがわかるのかもしれません。国語を得意教科にする方法は、やはりなんといっても、本の内容についていろいろ考えることからスタートします。ですから、子どもたちに、なるべく、よくも悪くもひっかかりのある本を選ぶのがよいと思っています。
感想文の宿題は、まず「いやだ! 書きたくない!」という悪いひっかかりからスタートすることが多いと思いますが、そんな子たちでも、なにかしら考えてみる、よいきっかけを作れる本を選びたいと思っています。『すごいね! みんなの通学路』はそんな一冊になってくれたのではないかと思います。
おすすめに選んだ本が、その後も読み続けられているというのは、ぼくにとってなんだかとてもうれしいニュースでした。こういう話題は、映画にもなった『ワンダー』以来でしょうか。あの本もすばらしい本でした。
さて、令和はじめての今年の読書感想文課題図書はどんな本でしょう。また一冊ずつじっくり読んで、おすすめの本を選びたいと思います。またご紹介いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします!