絵本を買って、愛読者カードを送ってくれた子に、毎年バースデーカードを送っている出版社があるそうです。「こぐまちゃん」や「11ぴきのねこ」のシリーズのある「こぐま社」というところです。毎年、誕生日にイラストのついたポストカードが届くそうですが、10歳になると、封書のお手紙が届くそうです。一部、引用させてください。
「これから絵本と出会う小さな子どもたちへ、バースデーカードを受け取る楽しみをゆずってあげてくれませんか?」
「これから大きくなっていくにつれて、きっと今までよりももっといろいろな種類の本に出会うことになるでしょうが、勉強やスポーツや、さまざまな楽しみも増えて、本からしばらく遠ざかることも、きっとあると思います。」
「でも、もし、あなたがこまったときや、何か知りたくなったとき、だれかに相談したいときは、その相談相手として“本”があることも、どうぞ忘れないでいてください。本の中には、何百年も昔から生きてきた人々の知恵や知識やおもしろい考えが、いっぱいつまっています。きっと本があなたの力になってくれるときがあると、私たちは信じています。」
なんとすてきなお手紙でしょう! 出版社の方は、絵本を読んでくれた方への感謝からはじめたということですが、10歳の節目にこのような心のこもったお手紙が届くと感激してしまいますね。バースデーカードをゆずって、とは書いてありますが、継続を希望すれば、その後もつづけてくれるそうです。ただ、出版社の方のご負担も考え、次の子たちへゆずる子が多いのではないかと思われます。その選択をする子のことを想像するとなんとなく胸が熱くなりますね。
この手紙をもらった子たちが、これからの人生でどんな本に出会うでしょう。本から離れたとしても、小さいころ読んだ本のことを思い出すこともあるでしょう。でも、本はいつもどこかにあり、もしかすると、子どもたちの人生の中で、ちょっとした助けになったり、よろこびになったり、するかもしれません。
同じように、NEWSで習ったことが、いつか子どもたちが大きくなったときにも、なにかをもたらせるものであったことを願ってやみません。NEWSでは、小さいころに読んだ絵本のような授業を、これからもできたらと思います。