大学入試のセンター試験に代わる『大学入学共通テスト』が2020年度から始まるのを受け、その2回目の試行調査が先日行われました。本番と似た形で、8万人以上の高校2、3年生が受けたようです(結果は来年3月までに公表予定)。
実際に受けた高校生の意見をあちらこちらで見かけましたので、ちょっと書いてみます。
「全体の問題量が多くて、記述式ばかりには集中できない」
「記述問題は、解答の条件をまずきちんと守り、ここを答えたら部分点はもらえるかな、と意識して書いた」。
「記述式は、文章を練らなければならず、何度も書き直していたら時間がかかってしまった。慣れていないので解きづらかった。」
「現代社会は、資料を読み取る力があり、状況把握ができれば解ける。日本史も知識を問う問題があまりなく、知識がある人よりも地頭がいい人が有利だと思った」
「問われたのは国語力だと思った。普通の政治・経済だったら、知識でこれは違うなとすぐわかるけど、それだけでは解けない」
「何が問われているのかが絞られた質問で答えやすかった」
「自分で考える力を試すテストだと聞いていたが、問題文の中から答えを抜き出すよう求めている設問ばかりで、イメージと違った。特殊な問題ではなかった」
「数学でも、読解力が問われているのかなと感じました」
「問題文を読むだけでちょっと疲れた。センター試験式の模試はすぐに計算にとりかかれるのに、計算を始めるまでに時間がかかった」
いろいろな意見が当然ありますが、全教科とも、苦戦している生徒が多いような印象を受けますね。記述の問題が採用されるということで注目を集めている『大学入学共通テスト』ですが、やはり記述の問題に特に苦労している高校生が多いようです。
試行調査の問題そのものが、まだまだ試行錯誤という感じですので、今後も注意していかないといけませんが、記述問題の練習は、やはり必要だと思われます。高校生になってからでは大変ですので、早いうちから慣れておくのがよいでしょう。
では、どのような練習をすればよいのでしょうか? 記述といっても、それほど長い文ではありません。どちらかというと、内容を理解して、必要な情報を取捨選択する力と、それを短い言葉で書く力が求められているように思えます。まずは、短い文章の要約を練習するのがよいと思います。ただし、これは問題を出すのが意外にむずかしく、答え合わせや間違いなおしも時間がかかります。もしNEWSの授業ならば……。
意味ありげにここで終わろうかと思いましたが、ぜんぜん隠すほどのことでもないので、堂々と書いてしまいましょう。すごくいいテキストがあるのです。使えるものはどんどん使ってしまいましょう。適切なテキストの選択はとても大事です。できれば繰り返し、なおかつさまざまな種類の文章の練習ができるものがいいです。あと、ウインタースクールでもやりますが、読書感想文は絶対に書いてほしいですね。どのような問題でも、短時間で書く練習にもなります。それぞれの生徒さんに合った教材で指導すること。これがNEWSの指導法です。でも、それがいちばん大事だと思います。もちろん、とてもむずかしいことでもあるのですが……。