学習学という分野があるそうです。教育と似ていますが、実は正反対のもので、どのような学習の仕方が効果的かを具体的に考え、実践していくもののようです。自分からおこなうことを定義付けており、いわゆる学校で習うお勉強だけにとどまらず、人生の生き方にまで広げていくものとのことでした。ちょっと読んだだけでは、なかなかむずかしいもののようでしたが、その紹介の中に、おもしろい実験例が載っていましたのでご紹介いたします。
まずは、問題です。以下の4つの勉強方で、効果が高いものと、低いものはどれだと思いますか?
・蛍光ペンで覚えたい箇所をマーキングすること
・繰り返し読むこと
・マンツーマン学習
・情報を自分の言葉で繰り返すこと
どの4つも、実際にやっていることが多いと思いますが……。
学習学の研究者の答えはこうです。
○蛍光ペンでマーキングをすることも、繰り返し読むことも学習効果はない。
知識を構築するためには能動的に頭を働かせる活動が最も効果が高いそうなのですが、蛍光ペンも再読も、頭の働きを促すには至らない、ということのようです。
○マンツーマン学習はデータの裏づけで効果が実証されている。
自分の知識や興味のレベルに合わせて指導や動機づけをしてもらえるし、先生からのフィードバックもたくさん得られるからだそうです。
○情報を自分なりの言葉で繰り返すと記憶しやすくなる。
内容を要約してみることは認知能力を関与させる行動だそうで、同じように、読んだ内容を頭の中にイメージとして思い描くと記憶に定着しやすいそうです。
かなり思い切った結論で、いったいどんな研究をしたのだろうか、というところも気になりますが、蛍光ペン、再読は、ただそれ自体が目的になってしまっては意味がないということなのかな、と思います。再読よりも、意識を高めるために音読のほうが効果があるのは、たしかにわかる気がします。なかなかテスト中や授業中に音読はむずかしいでしょうが、できるときはぜひ音読をしてほしいと思います。
そして、NEWSでもおこなっている個別指導にも意味があるようです。これも、先生のやり方で大きく変わると思いますが、NEWSの先生は、みんなの話をよく聞いて、いつも楽しく授業をしておりますのでかなり効果が高いと思われます(!)。これらのものから学習学を考えますと、ただ反復する作業よりも、能動的であったり、コミュニケーションを伴うものがよいという感じでしょうか。
学習学という言葉、学問が、この先どういった形で発展していくのかはわかりませんが、とても興味深い内容に思えました。もっとしっかり勉強をして、またご紹介できればと思います。
ちなみに、今回のタイトルの『上から読んでも学習学』は、とうぜんこのあと『下から読んでも学習学』とつづきます。これは、学習学の説明にありました学習プロセスの「価値を見いだす」の方法から、『新しい情報を学ぼうとするとき、自分にとってそれがどんな意味を持つのかを意識すること、さらに、自分で意味を創造してみる、例えば一文字抜けた単語のスペルに文字を足して完成させるという単純な作業をするだけでも、学習が記憶に定着しやすくなる』というものを参考にしました。決してふざけたわけではありません!