高校野球の予選が各地で行われております。NEWSに来ている高校生の子も応援に行ったりしているようです。プロ野球へ行くような話題の選手もいてテレビでその姿を見るのが楽しみです。日曜日にはいろいろな地域の決勝、準決勝などをつづけてやっており、手に汗握って、チャンネルをあちらこちらに変えて、見ておりました。
その中のひとつの試合のことです。春の選抜にも出場し、過去に甲子園でも優勝したことのある私立の強豪校と、快進撃をつづけて勝ち上がってきた公立高校との試合がありました。名前を比べれば、もう強豪校が勝つだろうと、ほとんどの人が予想したと思います。ところが、公立校が先に点をとりすぐに追いつかれましたがさらに点をとり、試合終盤までリードをするという展開になりました。それでも、いつかは逆転するだろうなあ、と思いましたが、逆に徐々にリードを広げるという形で、公立校が勝利しました。見事な勝利でした。強豪校の選手はもう9回の攻撃のときから何人も泣いており、あいさつのときも号泣している選手がいました。応援席の人たちも、呆然とした様子で、椅子から立ち上がれない人がたくさんいるようでした。
試合後の公立校の監督のインタビューを聞いておりましたら、何度か、「生徒たち」という言葉が出てきました。これが、新鮮に感じられたのです。たしかに高校生ですから、生徒で間違いなく、ふだん使っている言葉が自然に出てきたのでしょう。実際にはわかりませんが、監督が先生として担任だったり、授業を担当している子もいるのかもしれません。
なぜ新鮮に感じられたかと考えてみますと、甲子園などの監督のインタビューで、生徒たちとはあまりいわないからだと思います。「子どもたち」「選手たち」という言い方がほとんどではないでしょうか。テレビのアナウンサーも、選手という言葉を使っておりました。私立校では、授業などはせず、野球の監督だけを専門としている人も多いですから、生徒たちという言い方はあまりしないのだろうか、と思いました。特にどちらの言い方がいいというわけではないのですが、強豪校を破った快進撃の公立高校の監督の言い方から、なんとなくふだんの様子がうかがえて、監督と選手たちでもありながら、なおかつ先生と生徒でもあるのかな(ちがうかもしれませんが)と思い、試合の様子からも両者の信頼関係が感じられ、次の試合も応援したいと思いました。甲子園に行ってほしいです。試合を見た感じでは、決して運だけで勝ちあがったわけではなく(当たり前ですが)、のびのびとプレーをするいいチームだと思いました。むしろ強豪校のほうが動きがかたかったように思います。これも高校野球なのでしょうね。
毎日暑い日がつづいています。その中でもがんばっている子たちが、NEWSにもたくさんいます。そのひたむきさからぼくらが学ぶことがたくさんあります。
NEWS板橋校室長
三木 裕