2016年が始まりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします!
今年は申年ということで、おさるのじょーじが大活躍のこの絵本をご紹介したいと思います。昨年話題になったロケットも出てきますので……。
『ろけっとこざる』は、かしこいおさるのじょーじが、人間のまねをしていつも大騒ぎになってしまうシリーズの1冊です。アニメにもなって、近年さらに人気になっているようですが、アニメのジョージは目もぱっちりしていて、いかにもかわいくなりすぎているような気がして、ぼくは原作の絵本のじょーじのほうが好きです。
この『ろけっとこざる』でも、じょーじはすごいです。家の中をインクでめちゃめちゃにしたあと、ポンプで家中を水びたしにしたり、近所のぶたをにがしたり、牛をかってにつれていったり、博物館でも大騒ぎで……。この絵本のシリーズを読むといつも、きいろいぼうしのおじさんが気の毒でなりません。じょーじのために、さぞや苦労していると思うのですが……。でも、やさしいんですよね、きいろいぼうしのおじさんは。じょーじが悪気ではないとわかっているからでしょうか。
いろいろありましたが、じょーじはさいごに宇宙ロケットのパイロットに選ばれます。まだ人間はだれも宇宙へ行ったことのない時代です。じょーじは立派に宇宙飛行をやりとげ、金メダルをもらいました。鏡にうつして、うれしそうな姿で絵本は終わります。
大人の視点からすると、いきなり宇宙へ飛ばしてしまってひどいじゃないの! と思わなくもないのですが、子どもたちにとっては、バンバンザイなのでしょうね。じょーじがまきおこす大騒動も、きっと目を輝かせてページをめくっているにちがいありません。子どもたちの視点を失うことなく本を読むのはむずかしいですが、長く読み継がれている絵本には、なるほどと思わせるものがあります。もちろん、きいろいぼうしのおじさんのような大人の広い心も必要ですが……。
申年の今年も、NEWSは、じょーじのように楽しくジャンプしていきたいと思います! ロケットに乗ってどんどん飛んでいきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
NEWS板橋校室長
三木 裕