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第532回

ぼくは鰻だ

NEWS板橋校 三木裕

2018.03.09更新

 ある小説家の随筆を読んでおりましたら、日本語のすばらしさを語るところで、ちょっとおもしろい事例が載っておりましたのでご紹介したいと思います。

 まず、ある場面をご想像ください。何人かで食事に来ています。和洋中なんでもあるお店です。メニューを見て、ひとりがいいました。

「ぼくは鰻だ」

 よくある場面ですね。ぼくは鰻を注文して食べます、ということです。そして、全員の注文が済み、たくさんの料理が一度に運ばれてきました。ところが、店員さんが、だれになにを置こうか迷っています。そこで、「鰻のご注文は?」とたずねました。そこで、その人がいいました。

「ぼくが鰻です」

 これもごくありふれた場面ですね。ぼくの注文したのは鰻です、ということです。ところが、日本語としてそれぞれを切り取ったとき、これを翻訳機みたいなもので訳すことができるでしょうか? 前後の場面を詳細に書いたとしても、機械が、「ぼくは鰻を注文して食べます」とか「ぼくの注文したのは鰻です」と訳すのは無理だと思うと本には書かれていました。いまから40年くらい前の本でしたが、いまの機械でも無理でしょうね。

 これは、どんなときでも、必ず「~を注文する」にすればいいというものではもちろんなく、その代表的な例としてその小説家は次の一文をあげていました。

「吾輩は猫である」

 これを、わたしが注文したのは猫です、と訳してしまったら台無しですね。この場合は、わたし=猫になります。こういった例を、特に深く考えなくてもできるのが、日本語のすばらしさだと書いてありました。

 たとえば、注文が来たとき、「鰻はぼくです」といってしまうこともあります。なんだかちょっと文学的な響きがあるような気もします。英語でもひとつ思い出しました(たぶん)。『嵐が丘』という小説に「私はヒースクリフです」というセリフがあったような気がします。ヒロインが、結ばれない恋人の名前をいう美しいセリフだったような。鰻や猫ではないので、「えっ、同一人物だったの!?」と間違える人はいないでしょうが……。

ふだんのなんでもない言葉にもユーモアや美しさがあったりします。そういうこともNEWSの授業でみんなと話せたらいいなと思います。

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会社概要

商号
株式会社 NEWS(ニュース)
創業
2000年3月1日(株式会社国大セミナーの一部門として創業)
設立
2012年10月1日
資本金
1000万円
代表者
           
代表取締役 小倉拓也
本社
〒330-0063 埼玉県さいたま市
浦和区高砂2-5-5 KIビル 3F
電話
048-831-2223
事業内容
子どもの総合教育企業。
子どもたちが、21世紀を生き抜くために必要な教育を提供している。1人ひとりの成長に責任を持つために、全ての事業は少人数制を基本としている。
グループ
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会社
設立:1985年10月1日
■学習塾(国大セミナー)104校(2024年3月現在)
グループ
株式会社 NEWSエンターテインメント
会社
設立:2008年10月1日
■子役養成機関(NEWSエンターテインメント)
グループ
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会社
設立:2010年10月1日
■子どもの体験型ツアー実施する旅行会社
(そらまめキッズアドベンチャー)
グループ
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■保育園・インターナショナル保育園・学童くらぶ
グループ
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設立:2015年6月1日
■生活・文化・新規事業部門

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