NEWSは3月から新年度になりました。またこれからもどうぞよろしくお願いいたします。中学受験、高校受験、大学受験と、受験生のみんながんばってくれました。そして、中学校、高校では、学年末テストがいまおこなわれております。
ある中学2年生の女の子が、早く来て、自習の勉強をしていました。ちょっと見たところ、ある問題をまちがえていたので注意しました。数学の問題で、聞かれていることの反対を書いていたのです。問題文に、○○の逆を書きなさい、と書いてあるのに、○○を書いてしまうパターンですね。よくある、気を付けないといけないパターンです。直しながらその子はいいました。
「ああ、テストのときも、色ペンを使えればいいのに!」
そんなこといったって、ダメだよと、とりあえずいったのですが……。
彼女は、いつも自分で勉強するときはテキストやプリントの問題文の大事なところや、まちがいやすいところに色をつけて、注意していたのです。よい方法ですね。ただ、そのときは、テストみたいなプリントを学校でもらったようで、それを本当のテストのつもりでやっていたのでした。だから、色ペンを使えたら、といったのです。テストでも鉛筆で印を付けるなどの方法も考えられますが、色ペンほどの効果はなさそうです。なので、しっかり問題文を読んで答えを書いた後も見直しをしよう、ということになるのですが、どうして学校のテストでは色ペンを使ってはいけないのでしょうか? ぼくはふとそう思ったのでした。
そもそもテストをなぜやるかといえば、学んだことを理解しているかを確認するためです。学校というのは勉強を学ぶ場所ですから。だったら、まちがいをなくすために色ペンを使うという方法は、理解を助けるものですから、テストのときも大いに役立つはずのものなのです。色ペンの使用を許可すると、子どもによってはめちゃめちゃ色を使いまくって、かえってわかりにくくなってしまう子も出てきそうです。あと、色ペンをたくさん買ってもらえる子と、少ししか買ってもらえない子で差がついてはいけないという、公平さの問題もあるかもしれません。
たしかに、色ペンの使い方の差ではなく、色ペンの量とか高級さで違いが生じるのはテストにふさわしくありません。じゃあ、やっぱりテストに色ペンはだめかー、となりそうですが、新たな疑問がわいてきました。となると、なんでわざわざ、そんなひっかけみたいな問題を作るのだ? という疑問です。国語でも、1問だけ「○○でない」ものを選びなさい、というのがあって、まちがえてしまったりします。4択だったら、そのうち3つは合ってるわけですから、すぐ選んで書いてしまうわけです。注意深さ、とか、見直しの重要さ、とか、学ぶべき点はあるのでしょうが……。
ひっかけのような問題は出さない。
ひっかけ問題も出すが、色ペンを使っても良い(学校で全員の1本配付する)。
この2つのどちらがいいだろうと考えたのですが……。えらびにくいですねえ。どちらが本当に理解しているか、ですが……。教育というのは本当にむずかしいです。一番の理想は、ひっかけではないが、注意深さが要求される問題を出すことですかね。ぼくらの指導も注意しないといけません……。