新聞に、高校生とその親世代の世代間ギャップの大きい言葉を調べたという記事が載っておりまして、おもしろく読みました。いくつかご紹介します。
高校生は知っているのに、親世代が知らない言葉のギャップが大きいものは、
・イミフ (高校生81.7% 親世代37.7%)
・りょ (高校生64.9% 親世代23.6%)
などです。逆に親世代の方が知っている言葉は、
・阿漕 (親世代73.6% 高校生31.7%)
・イデオロギー (親世代73.6% 高校生33.7%)
・忌憚 (親世代68.9% 高校生29.3%)
などです。まだたくさんありましたが、特に差が大きかったものを書いてみました。高校生が知っている言葉にだけ、意味が書かれていて、ディスる⇒けなす、イミフ⇒意味不明、りょ⇒了解という意味だとか。ふだん、高校生の子たちとも授業をしていますので、なんとなく知っている言葉が多かったですが、もちろん、ぜんぜん知らない言葉もありました。逆に親世代の言葉も、阿漕やイデオロギーなど、会話で使ったりはしますが、あらためて、阿漕ってなに? イデオロギーってなに? と聞かれると、ちゃんと答えられるかなとも思いました。
今後、十年後にディスるがまだ使われているかはわかりませんし、イデオロギーという言葉も使われなくなってしまうかもしれません。べつの記事で、らぬき言葉(見れる、のような言葉)の一部が、らをぬかない言葉(見られる)よりも使用頻度が多くなったというものも読みました。言葉は変わっていくものだとはよく聞きますし、残したい言葉もあるはずだ、というのも正しいと思います。
ぼくは……といいますと、わりといつも楽しんでいます。高校生に新しい言葉を教わったり、小説などに出てくる美しい日本語をみんなに教えたり。新しい言葉でも、昔からある言葉でも、使ってみたり、書いてみたりして、しっくりくるものや、心地よいものを使いたいな、と思っています。たくさん語彙があるほうが、世界も広がると思います。もちろん、使いたくない言葉もあるわけですが……。古典の言葉もそんなふうにして、好きとか嫌いとかでもいいので、まずは楽しんでほしいなと思います。
NEWS板橋校室長
三木 裕