リオのオリンピックから早くももう2ヶ月もたっているのですね。早いものです。東京オリンピックもあっというまかもしれません。ちゃんと開催できるのでしょうかという心配もありますが……。
少し前にリオ・オリンピックで見事銅メダルを獲得しました女子卓球チームの村上監督の記事を読みました。オリンピック後も活躍している卓球チームですが、オリンピックから少し時間が経ち、そのときのことを振り返る内容の記事になっていました。
オリンピックのときの卓球チームをご覧になりましたでしょうか? 結果的には銅メダルというすばらしい終わり方だったのですが、(当然ですが)かんたんな足取りではありませんでした。ご存知の方も多いでしょうが、かんたんに状況を説明してみますと、まず卓球というのは、圧倒的に中国チームが強いという事実があります。残念ながら金メダルは中国で仕方が無く、他のチームは銀か銅メダルを目指すのが現実的な目標となります。日本チームはオリンピックまでずっとランク2位を死守し、第2シードとなりました。決勝まで中国と当たらないことになります。しかし、準決勝でドイツに破れ、3位決定戦に回ることになりました。
ここでひとつのポイントがありました。中国と準決勝であたったシンガポールは、ある程度3位決定戦に回ることも想定していたと思われます。しかし、日本は、ドイツに勝って決勝へ行くことを目標にしていましたから、負けたショックは大きかったはずです。うまく気持ちを切り替えて、3位決定戦にのぞめるでしょうか?
結果はご存知の通りですね。見事にシンガポールを破り、メダルを獲得したのです。ぼくもテレビで見ていて大興奮しました。そして、そのときのことを振り返った監督の言葉にあったのが『負け慣れ』という言葉でした。卓球というスポーツは大会が多いそうで、当然、その分負ける回数も多くなります。負けるという経験をだれもがたくさんして、そこから、次はどのようにして勝つかへ意識を向けるようになっていくのだというのです。実際、日本人同士が試合をして、その勝者と敗者が、そのあとの団体戦では力を合わせてダブルスを戦う、ということがよくあるそうです。上手に気持ちを切り替えていかないと、タフな連戦はできないですよね。
負けに慣れる、というと、負け癖がつくみたいな感じで、マイナスのイメージがありますが、積極的な意味で、次へつなげていくという意味で、必要なものなのかもしれないと思いました。逆に、負けに慣れていないと、本当のここ一番で力を発揮できないということにもなりかねません。上手に、負けに慣れさせること、これが大人の役割なのかもしれませんね。とても、むずかしいことではありますが……。次回のコラムでも、もう少しこのことについて考えてみたいと思います。
NEWS板橋校室長
三木 裕