前回のコラムで、NEWSウインタースクールの新企画『NEWS将棋算国教室』について書きました。そのつづきです。
NEWSは、将棋が、自ら『負けました』と認めることによってのみ対局が終わることから、子どもたちにも『負け』の大切さを学んでほしいと思い、この企画を考えました。なので、『NEWS将棋算国教室』は、もう一つの名前『負けました!!体験教室』とも呼びたいと思っています。
なぜ、『負けました』ということが大事なのでしょうか? 将棋盤を見れば、勝者と敗者はすぐにわかります。しかし、あえて、言葉でいうことが大事なのだと思うのです。NEWS将棋算国教室は、プロの棋士を育成するためのものではありません。たくさん『負け』の経験をして、それを勉強や、今後生きていくための力にしていくための教室です。ときには年下の子に負けることもあるでしょう。どうしても勝てない相手がいるかもしれません。けれども、負けから目をそらさず、自分の責任として、次の勝負に生かす体験を積み上げていってほしいと思っています。そのために、自ら『負けました』ということが大事なのです。もちろん、勝った子も相手への思いやりを学んでもらわなければなりません。
そして、負けを認めることによって得られるものがまだあります。それは、勉強にとってとても大切な『失敗を怖れなくなる』ということです。
テストなどで、むずかしい問題、わからない問題が出たときに、なにも書かずにそのまま白紙で終わらせてしまうという子が増えているように思います。あきらめが早い、努力が足りない、といったケースとともに、まちがえたくない、がんばってまちがえると恥ずかしい、という感情を持つ子が増えてきているように思えるのです。
将棋は、勝ち負けというはっきりとした決着がつくことにより、また、自ら負けを認めるという行為により、何度でも挑戦するという意識を育むことができます。心の強さも育て、成長させていくのが将棋のよさなのです。負けを認めることなく、失敗を避けていく生き方が、その子の成長をどれだけ妨げているでしょうか。ぜひ、NEWS将棋算国教室で、たくさんの『負け』を味わってほしいと思います。
NEWS将棋算国教室について、2回ほど書かせていただきました。次回もすみませんがお付き合いください。授業の内容や、NEWSの考える将棋の教育的効果などを書きたいと思います。